スタイリスト「地曵いく子本」が"刺さる"理由 ズバズバ口調の「おしゃれ指南本」は写真なし
――キラキラ女子とかハンサムウーマンとか言われるような人たちですね。ブロガーの本も増えました。
理想としてはいいことだし、ファッション業界にいるとか、その世界が好きな人はいい。でも、そうじゃない人だって多い。そういう普通の人に向けて、「着かた」と「生きかた」はくっついているのではというメッセージを込めて書きました。実は、ファッションも趣味も、自分が高校生の頃に好きだったものが一生好きなんです。それでいい。
――おしゃれで大切なのは靴と髪だと指摘されていますね。コーディネートの呪いもそうですが、洋服のスタイリストとしてやっていることを、ある意味……。
ひっくり返しちゃった(笑)。業界にケンカを売った女とか、仕事がなくなるんじゃないのとも言われましたが、逆に増えました。最近、靴とか髪型の特集が増えたような気がしませんか。普通の格好をしていても、素敵な髪型で靴がちゃんと磨いてあったら、「この人信頼できるな」「素敵だな」って思います。
持っている靴からコーディネートを考える
――最近はスタイリスト本も増えました。より多くの人が、ファッションの知識を得られるようになっています。
私自身、デパートの売り場に立って30~50歳ぐらいまでのお客様を相手にしたパーソナルスタイリストの仕事をしたことがあります。ちょっと前までは、これを全部着てくださいねと「はい、魔法の杖で変身」というのが得意だった。雑誌でも読者を変身させたりしましたが、変身ではダメなんですよ。そのときはきれいになるけど、次の機会にできないでしょう。
――そうですね。身に付いたものではないから。
だから、その人が履いている靴を持ってきてもらう、あるいは靴だけ最初に写メで送ってもらい、それに合わせたコーディネートをしていく。そうすると絶対、その服を着こなせる。しかも良く見える。その辺りの経験が勉強になって、『服を買うなら、捨てなさい』と『着かた、生きかた』を書くときのベースになりました。本当に、服って本当はパーソナルなものですよ。
あまりオシャレじゃない人は、サイズが合っていません。思い込みサイズのものを着ている。同じメーカーのシャツでも、サイズを合うものに変えただけですごく変わる。特に、男の人はそうですね。肩と袖が合ってないようなブカブカか、おしゃれを間違って解釈して変にピチピチしたものを着ているか。男も女も、買うなら試着したほうがいい。そこが変だとどうにもできません。
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