コメダ、上場で問われるFCビジネスの持続性 営業利益率30%の驚異的なビジネスモデル

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こうした開業費用の高さを会社側は、「いちばん大きいのは(木材を使った店舗の)建設費用。木材は削れば補修できるので、中長期的に見れば改装費用が安く済む」と説明する。

地盤の中京エリアはすでに頭打ち

が、FCビジネスに詳しい日本フランチャイズ総合研究所の内川昭比古社長は、「初期投資が高すぎる。その割に年商は低く、FCオーナーは苦労させられるだろう」と指摘する。

臼井社長は上場の目的を「知名度を高め出店交渉や人材採用などの面で商売をしやすくするため」と表明している。今後は年間70〜80店ペースで新規出店を行い、2020年までに1000店へ拡大する計画だ。

デニッシュパンの上にソフトクリームを乗せた「シロノワール」は1977年から販売している看板メニューのひとつだ

とはいえ、全国で1000店舗を超えれば、成長は鈍化する。

得意な郊外の主要道路沿いでも、ドトールのグループ会社が「星乃珈琲店」で、スターバックスがドライブスルーを併設した大型店舗で、出店攻勢をかけている。コメダも地盤の中部エリアでは、ほぼ350店と頭打ち状態だ。

出店ペースが鈍化すれば、店舗開発収入やリース収益が減り、収益性が低下する可能性がある。高い利益率を維持したまま、成長を続けることができるのか。上場を機に裸の実力が問われることになる。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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