5000カ所!中国に「起業支援センター」乱立

これは隠れ不動産バブルなのか

工業情報省はコメントを拒否。国家発展改革委員会にコメントを求めたが、回答を得られなかった。

iiMediaによると、イノベーションセンター向けの資金の約8割は政府もしくは大学などから集められているという。中国の大学は政府の支援を受けている。

ベンチャーキャピタルファンドSOSVの投資パートナー、ウィリアム・バオ・ビーン氏は「政府主導のプロセスで誕生した企業が成功する事例をあまり見たことがない」と話す。

金食い虫のイノベーションセンター

河北省懐来県の小さな町である沙城は中国政府の呼びかけに応え、25階建てのタワービルを2棟建設。1棟をオフィスビルとし、もう1棟をイノベーションセンターに充てた。

しかし、新興企業に机の提供や一定期間の賃料免除といった優遇策を設けるイノベーションセンターはガラガラ。床にはごみやほこりが散らかっている。

イノベーションセンターに隣接する場所で浴室用器具販売店を経営するリウ・ハイヤンさん(30)は「起業家になろうとは思わない。お金が必要だし、私のような人間に選択肢は多くない」と語った。イノベーションセンターについては、鉄道で約4時間の距離にある北京の学生や起業家を呼び込もうとしているのだろうとの考えを示した。

沙城当局はコメントを拒否した。

住民らは北京との高速鉄道が2019年に完成すれば、経済状況が改善すると期待。所要時間は30分に短縮される見通しだ。

地元政府と強い結び付きを持つある実業家は匿名を条件に「イノベーションセンターは金食い虫だが、長い目で見れば、地域に税を納め、雇用をもたらす企業を生み出すと期待している」と述べた。

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