浜矩子教授「EUはもはや時代遅れの組織だ」 「これから次々に離脱してもおかしくない」

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EUはもはや時代遅れの組織になってしまった(パリで会談する独仏首脳、AP/アフロ)

イギリスの今後はどうなるのか。2年間の猶予期間を経て、離脱に向けての準備が進められるが、紆余曲折は必至。自身もかつてイギリスで長く生活した経験を持つ、同志社大学大学院教授の浜矩子氏に話を聞いた。

イギリスのEU離脱は当然の結論

浜氏は、イギリスが国民投票を通じてEU離脱の意思表示をしたことを、当然の結論とみている。

「そもそもEUという組織自体が21世紀の時代に合わなくなっている。EUの前身は、1952年に設立されたECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)で、これは東西冷戦が幕を開けるなかで結成された。そういう古い時代にできた組織が、加盟各国に共通ルールを厳格に守らせようとすること自体に無理がある。イギリスのEU離脱は、当然のことだ」

とはいえ、イギリスのEU離脱は、さまざまな混乱をもたらした。国民投票の大勢が決したのは、日本時間の6月24日午後1時前後だったが、国内外のマーケットは大きな下落に見舞われた。日経平均株価の終値は、前日比で1286円安、8%弱の暴落。ポンドも1ポンド=157円台から134円台、ユーロも1ユーロ=120円台から112円台まで急落。世界各国の株式市場も、軒並み下落した。

「経済的にマイナスの影響が生じることを心配する声があるのは事実。ただ、今回の国民投票を経て即、EUから離脱するのではなく、これから2年という猶予期間を経て徐々に離脱のプロセスが進行していく。だから、当面は劇的な変化に見舞われることはない」

今後は関税がかかることを懸念する声もあるが、「EU向け輸出はイギリスの輸出総量の半分程度だから、懲罰的な関税率を課せられない限り、大きなダメージは受けない」。また、シティの競争力低下に対する懸念については、「むしろEUの金融規制に縛られずに済むため、今以上に資本を呼び込める可能性がある」。

恐らく、イギリスのEU離脱に伴う経済的なショックは、徐々に落ち着きを取り戻していくだろう。国民投票の結果が出た直後は5800ポイント割れまで下落したイギリスのFTSE100指数は、7月に入っても堅調に推移。すでに国民投票前の水準を大きく超えている。

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