戸惑う親に伝えたい「反抗期男子」のトリセツ 「精神的なよちよち歩き」を見守るために

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また、子は親の鏡ということもあります。週末にお父さんが「疲れた〜、疲れた~」とゴロゴロしてばかりいて、お母さんが日々の生活の文句ばかりを言っていたら、子どもだって生きる活力を失ってしまいます。「どうして大人がダラダラしているのに、自分だけ頑張らなきゃいけないんだ?」という疑問は解消できません。

子どもに無気力を感じたのなら、まず親自身が気力をもって生活することを心掛けなければなりません。

思春期は「精神的なよちよち歩き」

つい余計なことを言い出しそうな自分に気づいたら、息子さんが1歳だったころを思い出してみてください。

よちよち歩きはうれしいのだけれど、反面、転ぶのではないか不安で仕方がなかったはずです。でも、その不安な気持ちをグッとこらえて、よちよち歩きを見守ってきたと思います。実際、息子さんは何度も転んで、泣いたことも、ケガをしたこともあったと思います。それでも見守ることができたのはなぜでしょうか。

『「思春期男子」の見守り方』(PHP研究所)。画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

それは、みなさんのなかに、「何度転んで泣いたとしても、最終的には必ず上手にあんよができるようになる」という確信があったからではないでしょうか。思春期も同じです。

思春期は、「精神的なよちよち歩き」の時期です。頭でっかちで不格好に歩いているようにしか見えなくても、本人は立派に歩いているつもりなんです。見ていると不安になる気持ちはわかります。よちよち歩き同様、実際に失敗もします。でも、最終的には必ず一人で上手に歩けるようになります。

親がよほど余計なことをしなければ、子どもはちゃんと育ちます。親の「思いどおり」にはならないかもしれませんが、「それなりのもの」には必ずなります。

その確信がもてれば、1歳のよちよち歩きのときのように、どんと構えて見守ることができるようになるのではないでしょうか。
 

おおたとしまさ 教育ジャーナリスト

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Toshimasa Ota

「子どもが“パパ〜!”っていつでも抱きついてくれる期間なんてほんの数年。今、子どもと一緒にいられなかったら一生後悔する」と株式会社リクルートを脱サラ。育児・教育をテーマに執筆・講演活動を行う。著書は『名門校とは何か?』『ルポ 塾歴社会』など80冊以上。著書一覧はこちら

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