グリー、広がる不始末 未成年への超過課金、当初公表値は不正確

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3カ月間、事態を隠ぺい

そもそもグリーが未成年に対する超過課金の発生を認識していたのは、12年の9月7日。同月10日は社内で情報共有をしている。にもかかわらず、13年1月7日まで事態を対外的に発表しておらず、12年末に著名ブロガーの指摘を受け公表を迫られた。

今回、当初の超過課金額が不正確だったという事実は極めて重い。田中良和社長をはじめ、経営幹部の責任が問われるが、「具体的にどう対応するかはこれから検討していきたい」(グリー広報)と述べるにとどまる。

若年層に人気がある、グリーの主力タイトル「探険ドリランド」

未成年の利用限度額そのものについても議論の余地がある。ディー・エヌ・エーが18歳未満、グリーが19歳未満を月額1万円、15歳以下が両社月額5000円と定めているが、「保護者の観点から言えばこれでも設定が高い。

未成年が使う際は書面で保護者の承認を取るか、完全無料にするなどの措置が必要」(グリーが自社で作る健全化委員会の一人)との指摘がある。

12年11月に立ち上げた業界団体、JASGA(=Japan Social Game Association。一般社団法人ソーシャルゲーム協会)では、自主規制を行うことを発表しているが、対象範囲が明らかになっていない。今回の不始末を受け、踏みこんだ対応も必要だろう。

昨年5月にコンプガチャ問題が起きた後の会見で田中社長は「短期的な利益ではなく、ユーザーが安心して利用できる環境を作ることが最も求められている」と語っている。今となっては、その覚悟はいくばくのものだったのだろうか。

(タイトル下の写真は昨年5月の決算説明会で会見する田中社長、撮影:田所 千代美)

二階堂 遼馬 東洋経済 記者

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にかいどう りょうま / Ryoma Nikaido

解説部記者。米国を中心にマクロの政治・経済をカバー。2008年東洋経済新報社入社。化学、外食、ネット業界担当記者と週刊東洋経済編集部を経て現職。週刊東洋経済編集部では産業特集を中心に担当。

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