次は3月危機? 燻る「財政の崖」問題

景気・経済観測(米国)

先述の通り、「財政の崖」を巡る協議が土壇場まで難航したにもかかわらず、これまでに発表された経済指標は市場予想を上回るものが目立つ。

先行き不透明感から慎重姿勢を強めていたはずの企業部門だが、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した12月の景況指数は、製造業、非製造業とも事前予想を超える改善となった。非製造業に比べて製造業の改善ペースが鈍い状況に変わりはないが、製造業のコメントをみると、先行き不透明感を懸念する声一色だった11月に比べ、一部で受注や出荷の持ち直しを指摘する意見が聞かれるなど、明るい兆しもみてとれる。

加えて、設備投資の先行指標である資本財受注(除く国防・航空機)が、足元で持ち直しに転じており、企業の投資抑制傾向にも一服感がうかがえる状況だ。先行き楽観とはいかないまでも、製造業を取り巻く環境が徐々に安定化しつつあるといって差し支えないだろう。

内需の柱である個人消費も総じて底堅く推移している。11月の実質個人消費は、前月比プラス0.6%と、好調だった感謝祭商戦などを受けて、10月のハリケーンによる落ち込みを補って余りある回復をみせた。

また、「財政の崖」を理由に12月の消費マインドが大きく悪化したことから、個人消費への影響が懸念されたが、大手小売チェーンの12月既存店売上高は、前年比プラス4.5%といい意味で予想を裏切る結果となった(事前予想は同プラス3.3%)。12月の新車販売台数も年率1537万台と引き続き高水準を維持しており、今のところ消費失速の気配はうかがえない。

住宅市場の回復が消費を後押し

足元の個人消費を下支えしているのは、いうまでもなく雇用環境の改善である。1月4日に発表された12月の雇用統計では、雇用者数こそ前月比プラス15.5万人と前月並みの増加幅にとどまったが、労働時間と時間当たり賃金はいずれも事前予想を上回る伸びとなった。時間当たり賃金は、2ヵ月連続で年率3%越える伸びを記録しており、消費の源泉たる所得の増加に大きく貢献している。

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