中国人高校生、「LCCを経営したい!」のワケ

成田空港でのインターンで考えたこと

LCCのおかけで欧州内の航空便の利用は電車・バスなどのように日常的なものになった。例えば、パリからローマ、ミラノからロンドンなどの路線は一カ月前に予約すれば、たったの20~30ユーロで買える。日本円に換算すると3000円前後くらいで済むのだ。

LCCがもたらすメリットは計り知れない。日本の場合を考えてみても、海外へレジャーで行く場合にどうしても運賃の比率が高くなってしまいがちだった。しかし、LCCを活用すれば運賃を低く抑えた分、目的地でのホテル、買い物、食べ物などをグレードアップできる。

インバウンド観光でもLCCが大活躍している

今年の成田からの出発便のうち、およそ4分の1がLCC

インバウンド観光の増加にもLCCが寄与している。円安の進展と規制緩和により、外国から日本に来る観光客の数が増えているが、そうした人々を日本に運んでいるのは、もっぱらLCCだ。

例えば2013年、日本政府はタイ人にビザなしで観光できるように規制緩和を行った。これにより、タイからの観光客は2013年4月の6万人から2016年4月の13万人になった。

中国などの国に対しても、ビザ発給の条件を緩和。以前は金持ちでなければ日本への観光は難しかったが、今では普通程度の収入の人であっても日本に来られるようになった。そうした人々を運んでいるのもLCCなのである。

床案内のサインが分かり易く誘導してくれる成田空港第3ターミナル(撮影:尾形文繁)

日本が観光客増を狙って新たにビザなしで来られるようになった国の多くは、東アジア。6時間以内で行き来が可能だ。また、アジア各国からの観光客は日本での滞在が短く、預かり手荷物なしで機内持ち込み手荷物のみの場合が多い。台湾・韓国・中国などの観光客は日本に近いため週末を利用して1泊2日の日程で来る人も少なくない。そうした気軽な旅行は交通費が高ければできない。交通費が安いからこそ、1泊2日であっても損をしたような気にはならずに済むのだ。

当初、日本はLCCの受け入れに消極的だった。受け入れの中心は大阪の関西空港で、成田・羽田など東京圏の空港は消極的だった。ところが羽田国際線ターミナルを拡大したことにより、フルサービスの航空会社の一部の便が成田から羽田に引っ越し。そのため成田空港の空いたスペースをLCCが利用できるようになった。

LCCの成田線は需要が強く、2015年5月からは成田空港第3ターミナルの営業が開始。第3ターミナルの建造コストは150億円で、これは日本国内では 関西空港と那覇空港に次ぐLCC専用ターミナル。第1・第2ターミナルと違ってボーディングブリッジを使っていない。航空会社にとってはボーディングブ リッジを使わないことはコストを下げるだけでなく、便と便の間を詰めることもできる。

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