「優秀なのに出世しない人」の不幸グセ4選 考え方を変えないと周りは認めてくれない

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③対人過敏タイプ

対人過敏とは他人が自分をどう評価しているのかが気になるタイプです。誰からも悪口を言われたくないから噂が気になるのです。給湯室の前を通ると、そこでずっと話していたらしい社員たちの口がぴたりと止まる、それはきっと自分のことを言っていたに違いないと敏感になります。

嫌われたくないという理由で、頼まれた作業は何でも引き受けますが、能力以上のことも多いため、それらすべてが中途半端……結局会社を休んでしまう、なんてことになり周囲を困らせます。決めることが苦手で自分軸がないため、「あなたはこれについてどう思うのか?」と聞いても周りの意見を優先します。

このタイプは出世が遅く、ただ何となく人生を過ごして成果を得ることが少なくなりますから、本人とともに大切にしたいことの優先順位を書き出して、その順番で物事を大切にしていくともっとのびのびとした態度になり発想も豊かになることでしょう。

自信がないので受け入れられない「自己否定タイプ」

④自己否定タイプ

おそらく以前に、自分はだめだと思う体験や兄弟などと比較される環境があったかもしれません。最近ではチャレンジをした過去がないので挫折もしていない、だから失敗が怖いからさらに挑戦することをしない、という負のスパイラルに入り込んでいる若手社員を多く見かけます。

周りから褒められても自信がないので素直に受け入れられません。このタイプが育成という意味では、いちばん手を焼くかもしれません。他の人から見るとちゃんとできているのに、自分自身にOKを出さない、自己評価が低いのです。だから管理職試験やプロジェクトリーダーも引き受けようとしない。

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そういう場合は「誰と比較してあなたはできないと言うのか?」「そう思い込ませるようなできごとが過去にあったのか?」と聞きながら、客観的に自分を見つめてもらう機会を作ることから始めましょう。ダメだと思ってしまうルーツはなんだったのかに気づくことで、冷静に自分を理解し同僚や友人と対等な関係を築くことができるようになるのです。

人間の性格はそう簡単には変えられるものではないけれど、考え方・受けとめ方(認知)や、知らずにやっている行動パターンをシフトチェンジしていくことで、身近に起こる現象がおどろくほど変わるものです。自分のことはもちろん、あなたが上司であれば、部下のこのようなパターンに応じて、特性を理解し適切な指導を行うことで出世にも良い影響を及ぼしてくるはずです。

神田 裕子 心理カウンセラー

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かんだ ゆうこ / Yuko Kanda

北海道出身。藤女子大学、一般企業秘書を経て独立。心理カウンセリング、産業カウンセリング、新規事業アイデアのコンサルティングなど精力的に活動。

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