日経平均続伸で高値更新、年足も高値引け 大納会は終値1万0395円

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2012年大納会、28日の東京株式市場は4日続伸となった。前日の米国株式が4日続落だったほか、日本株の過熱感も強まっているものの、安倍晋三政権への根強い期待や、為替の一段の円安傾向が株価を押し上げた。

大引けの日経平均株価は前日比72円20銭高の1万0395円18銭、TOPIXは同5.71ポイント高の859.80だった。日経平均は前日に続いて年初来高値および東日本大震災後の高値を更新した。東証1部概算の出来高は28億9171万株、売買代金は1兆4746億円と、前日よりは減少したものの高水準だった。

為替が朝方、1ドル=86円台後半と10年8月以来の円安水準を記録したことなどから、本日の日経平均は83円高の1万0406円で寄り付き、前引けは80円高の1万0403円(写真は前引け直後の株価ボード、東京八重洲で撮影)。

昼休みのバスケット取引は360億円成立し、「やや売り決め優勢」と伝えられたが、アジア株が総じて堅調に推移していたことから、日経平均は後場も堅調に推移した。14時46分には本日の高値である1万0433円まで買われた。これは震災前日の11年3月10日の引値1万0434円にあと1円まで迫る水準。その後、大引けにかけてはやや値を下げて1万0395円で今年の取引を終えた。

東証33業種別では、22業種が上昇し、11業種が下落。上昇率トップはゴムで、その他製品、輸送用機器、証券が続いた。下落率トップは円安がデメリットとなる電気・ガスで、空運、医薬品、海運が続いた。東証1部の値上がり銘柄数は48%に当たる821、値下がり銘柄数は43%に当たる732、変わらずは143銘柄だった。

個別銘柄では、円安を受けてトヨタ、キヤノン、任天堂、ブリヂストンなど輸出関連の主力株が買われたほか、蛇の目、東海運の上昇率が目立った。一方、東京電力が売られ、東京機械製作所、EMシステムズの下げが目立った。

本日は引値で今年の高値を記録したため、年足チャートで高値引けとなった。年足での高値引けは1999年以来、13年ぶりとなる。

12年の相場を振り返ってみると、今年1月4日大発会の日経平均の引値が8560円で、そこから3月27日の1万0255円まで春先は堅調な展開が続いた。その後、11月前半までは円高や欧州債務問題、さらには米国の「財政の崖」などが不安材料となり、軟調な展開に。ところが11月14日に野田佳彦前首相が衆議院解散を明言してから年末にかけては再び堅調な値動きとなり、3月27日の年初来高値を更新して、11年末の大納会の引値8455円からは約23%上昇して引けた。

株式市場には、干支に関して「辰巳(たつみ)天井」という格言がある。辰年は相場が強く、翌年の巳年にかけて天井を付ける傾向が多い、とされている。辰年の12年はこの格言どおり、特に年末にかけて力強い相場となった。格言どおりなら巳年の13年は上昇相場が続き、どこかの時点で天井を付けることになる。

市場関係者からは、「安倍政権への期待はまだ続きそうだし、今の市場エネルギーを見ていると、来年も当面いいムードは崩れないだろう」との声が聞かれた。

柿沼 茂喜 東洋経済 記者

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かきぬま しげき / Shigeki Kakinuma

入社以来、一貫して記者として食品・外食、金融・証券、電力・ガス・石油、流通、精密機器、総合電機、造船・重機などの業界を担当。この間、『週刊東洋経済』『会社四季報』『金融ビジネス』の各副編集長、『株式ウイークリー』編集長、編集局次長などを経て現職。

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