人が殺到する「地方シネコン」は何が違うのか 入場者数が過去最多になるケースも!
全国のシネマコンプレックス(複合映画館)で、有名アーティストのコンサートや舞台を主会場からの配信で同時に楽しむ「ライブビューイング」が人気を集め、佐賀県内のシネコンでもその動きが広がっている。
映像や設備のデジタル化が進んだためで、客層を広げて入場者数が過去最多になったところも。テーマパークのアトラクションのような客席を設けたり、「シアターレンタル」を始めるなど、需要喚起の取り組みを強めている。
生ライブ中継、シアターレンタル、体感型も
夕刻の109シネマズ佐賀(佐賀市)。授業を終えた女子高生らが続々と集まってくる。お目当ては、多国籍男性ボーカルグループのライブビューイングだ。
日本ツアー最終公演の生中継とあって久留米市など県外からもファンが駆け付け、約120席のシアターは女性客でいっぱいになった。
「実際の会場よりも近くで見られるし、料金も半額以下。ここでも十分盛り上がる」。佐賀市の女性(25)はライブが始まると歓声を上げ、スクリーンに向けてペンライトを必死に振った。
同館の2015年の総入場者数は46万4000人。開館した06年以来、過去最高となった。「ジュラシック・ワールド」や「ミニオンズ」など映画のヒット作にも恵まれたが、道田有希支配人は「歌や舞台が好きな客も取り込めた」と好調の理由を語る。