日経平均は4日続落、一時250円超安に 海外短期筋による売り仕掛けはどこまで?

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 6月14日、東京株式市場で日経平均は4日続落。前日比で一時250円を超す下げとなる場面があった。写真は都内の株価ボード。2012年9月撮影(2016年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 14日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は4日続落。前日比で一時250円を超す下げとなる場面があった。英国の欧州連合(EU)離脱懸念が継続し、取引時間中は先物主導で下値を模索する展開。終値は心理的節目の1万6000円を割り込み、4月11日以来、2カ月ぶりの安値となった。東証業種別指数は電気・ガスを除く32業種が値下がりした。

前日の大幅安の反動で朝方は買い戻しが入り、日経平均はプラス圏に浮上する時間帯があったものの、円高警戒感は根強く、外需関連株を中心に次第に売り圧力が強まった。英国においてEU離脱の是非を問う国民投票を23日に控え、海外短期筋によるショートポジション構築の動きがきょうも続いたともみられている。

東証マザーズ総合<.MTHR>が10%超の下げとなったことも、個人投資家の心理を悪化させた。後場は日銀によるETF(上場投信)買い観測を支えに、日経平均は下げ幅を縮小。一方で外為市場ではドル/円<JPY=EBS>が105円台後半で弱含む動きとなり、日本株の重荷となった。

水戸証券投資顧問部ファンドマネージャーの酒井一氏は「ブレグジット(英国のEU離脱)の可能性について市場は楽観的過ぎた。さらに今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀の金融政策決定会合もある。日本株は下がっても積極的に買いにくい」と話している。

東証1部売買代金は1兆9900億円弱と、前日と比べやや増加したものの、2営業日連続の2兆円割れ。商いが低調ななかで、先物への売買に左右される展開だった。業種別では証券業が下落率でトップ。銀行業がこれに続いた。

個別銘柄では アイ・オー・データ機器<6916.T>が急伸し、年初来高値を更新した。13日、2016年6月期通期の連結業績予想の上方修正と、記念配当の実施を発表したことが好感された。半面、神戸物産<3038.T>が大幅安。同日、16年10月期の連結純利益予想を従来の53億円から21億円に下方修正したと発表した。一転して減益の見通しとなり、嫌気された。

日経平均<.N225>

終値      15859.00 -160.18

寄り付き    16001.19

安値/高値   15762.09─16082.50

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1271.93 -12.61

寄り付き     1279.46

安値/高値    1264.65─1288.24

 

東証出来高(万株) 197603

東証売買代金(億円)19892.79

 

東証1部騰落数は、値上がり227銘柄に対し、値下がりが1670銘柄、変わらずが61銘柄だった。

 

(長田善行)

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