ドル円が落ち着けば1万7000円台の値固めも 日本株は大きく振れる素地が整いつつある
米5月雇用統計の失速を受け、足元のドル円は再び円高方向に振れている。しかし、5月の105円台と6月の106円台で踏みとどまり、チャート上ではダブルボトムを形成しつつある。このパターンでのネックライン(円安への反転ポイント)は111円台となる。仮に同ネックラインを上回ると、振れ幅6円程度が円安・ドル高方向へ反転することも考えられる。その場合は長期投資家の損益分岐点とされる52週線117円台が意識されそうだ。
2016年の日経平均株価は1万5000円を一時下回るなど、年初来2割程度まで急落している。国内輸出企業の2017年3月期業績は総じて減益見通しにとどまり、会社の慎重姿勢がうかがえる。大手自動車メーカーから上場企業全体までの今期想定レートは1ドル=105~110円。テクニカル面からみたドル円の節目とも符合し、ここからの円高進行は限定的との見方もできよう。
閑散相場だが需給のしこりはほぐれつつある
日経平均株価の5日、25日線、75日線、100日線をみると、1万6600円台で収束している。これは投資家の損益分岐点が均衡しており、短中期における需給のしこりがほぐれつつある証左といえよう。
6月10日には株価指数先物とオプションの特別清算指数(SQ)算出日が控える。通常、市場参加者が先物の持ち高を6月物から9月物に移行していくため、この乗り換え時期に相場が大きく振れることもある。しかし今回は重要イベントや経済指標は少なく、様子見姿勢が強まっている。したがって、足元の東証1部売買代金は2兆円を下回る薄商いが目立つ。
ここ3カ月間の日経平均株価は、機関投資家が注目する3月月中平均(1万6897円)を挟んで、モミ合い相場が続く。ただ、テクニカル面からみると日本株は大きく振れる素地は整いつつある。まずはドル円が今期想定レート内で落ち着けば、日本株は1万7000円台の値固めも。さらに為替変動に対する円高抵抗力も見えつつ、企業業績の見直し期待や投資家心理の改善も徐々に高まれば、7月の参院選に向けて日本株は戻りを強める展開も想定され、長期線となる200日線1万7700円台までの上値余地も考えられる。
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