日本が幸せな国になるのに経済成長は必要か すでに成長を目指すステージは終わった
またキング氏は、金融部門を除く企業収益が、2015年には世界全体で縮小しており、その傾向が最近の四半期にまで続いていたと指摘する。
国内レベルでの企業部門において懸念されているのは、企業が顧客の減少に合わせて収益性を確保できる水準まで事業規模を縮小しようとすることで、低成長又はマイナス成長が加速することだ。
超低金利が起爆剤になることはない
こうした主張があるからこそ、各国の中央銀行は、かつては人口増大によって自然に得られていた成長を実現するための手段として、信用供与を使おうとするのである。
ここ数カ月、中国が信用供与の蛇口を緩めているのが最も顕著な例である。この戦術なら確実に成長率は上がり、グローバル市場は落ち着きを取り戻すだろうが、資金がどれだけ生産的な用途に投じられるかという点に関しては、結局のところ失敗に終わる可能性がある。
他の先進国を見ても、超低金利によって投資の力強い回復がもたらされたという成功例はない。
人口成長が減速し、信用供与が起爆剤としてもはや機能しないのであれば、その手段が間違っているのではなく、目標設定そのものが間違っているのかもしれないのである。
*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)
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