JR大赤字線は100円稼ぐのに800円も掛かる 東海・西・四国・九州・貨物各社の営業係数

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JR四国、鍵を握るのは予讃線

●JR四国

全路線の営業係数が140・2と、今回取り上げた中で最も悪いのはJR四国。そのうえ、100未満の路線も96・3の本四備讃線のみという厳しい状況となっており、いわゆる「四国本土」の路線はすべて営業損失を計上している。

同社の泉雅文社長は2013年度の入社式で新入社員に対して「(JR四国は設立以来)よく四半世紀つぶれずに来たな」と述べて周囲を驚かせた。だが、試算した営業係数の結果を見れば、誇張でもなく、偽らざる心境であることが明らかだ。

路線数が少なく、どの路線も似通った営業キロと旅客人キロとを記録しているからか、試算の結果、多くの路線で100台の営業係数を記録した。100台の路線は9路線中6路線で、先に挙げた100未満の本四備讃線を加えると7路線が良好またはまずまず良好な営業係数という点は興味深い。JR各社の中でこれだけ高い割合を占めたケースはJR四国だけだ。

新幹線を保有するJR各社の影に隠れて目立たないものの、営業係数を試算してみると、JR四国にも旅客運輸収入の比率が高い路線が存在する。53・4パーセントとなった予讃線だ。

予讃線が同社全体に占める割合は、営業キロが38・2パーセント、旅客人キロが55・6パーセントと、もともと大きい。一方で、試算の結果、唯一の営業係数100未満となった本四備讃線は営業キロが2・1パーセント、旅客人キロが10・1パーセントと低く、旅客運輸収入の試算でも全体の9・1パーセントにとどまる。したがって、JR四国の経営動向を握っているのは実は本四備讃線ではなく、予讃線といえるであろう。

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