JR大赤字線は100円稼ぐのに800円も掛かる 東海・西・四国・九州・貨物各社の営業係数
同社の旅客運輸収入に占める山陽新幹線、博多南線の比率はほぼ半数と、JR東海ほどではないとしても高い。冒頭に挙げた試算のやり方ではやはり非現実的な数値が得られる。2013年度の場合、40・2という山陽新幹線の営業係数はやはり良好過ぎるといえるであろう。
在来線同士は営業キロ比で分配
そこで、車両保存費、運転費、運輸費を変動費ととらえて旅客人キロの比で分配し、その他の費用は山陽新幹線・博多南線と在来線との旅客運輸収入の比(2013年度は新幹線46・68パーセント、在来線53・31パーセント、2008年度は新幹線43・82パーセント、在来線56・17パーセント)で分配した後、在来線同士は営業キロの比で分配した。
JR西日本の在来線を見ると、営業係数のよくない路線が北陸地方と中国地方に偏在していることがよくわかる。試算によって北陸地方の中で最も悪い営業係数となったのは大糸線の856・5、一方で中国地方は三江線の879・7であった。これらのほか、800台は中国地方の木次線の827・5、700台は北陸地方の越美北線の771・6、中国地方の美祢線の754・2となっている。
一方で営業係数が100未満の路線は中国地方の山陽線の94・9。この1路線のみで、北陸地方では北陸線の134・5が最もよいという状況だ。2015年3月の北陸新幹線の開業によって北陸線は直江津〜金沢間が経営分離され、金沢〜米原間の路線として新たなスタートを切った。経営分離が北陸線の営業係数にどのような影響を与えるのか気になるところだ。
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