WiFiスポット倍増、LTE始動で高成長 ワイヤレスゲートの池田武弘社長に聞く

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会員数拡大への布石も着実

次世代通信規格への対応も具体化している。NTTドコモの「Xi(クロッシィ)」エリアでは12月からLTE向けのサービスも始める。詳細はまもなくワイヤレスゲートのウェブ上にアップ予定だが、従来のWiFiもセットでのサービスになりそうだ。

「基本的にはNTTドコモのLTEネットワークを利用し、設備面はNTTコムにお力添えいだいた。(12月からは)ドコモのクロッシィエリアで使えるようになりますし、使えないエリアではドコモの3G回線が使えます。ドコモのクロッシィと3Gのエリアで使えるデータ通信サービスを、われわれのブランドで提供させていただく形になります」

「(LTEの会員数が)どのくらい増えるかは外部環境、デバイスなどの外部要因が大きく、具体的な数字は作れていない。スマホでLTEを使うのがいいのか、ルーターでつなぐのがいいのか、サーベイしているところ。WiMAXもいまは、ルーターにつないでいただくのが基本的な使い方ですが、iPhone5みたいにスマホそのものがLTE対応していって、そっちに注力していくのがいいのか。そこはキャリアさんが主戦場でやられているところ。ぼくらは基本的にキャリアさんがやりにくいところを狙っていく」

携帯大手(キャリア)がどうしても手を出しにくい領域で勝負することになりそうだ。ちなみに手を組んだクロッシィの人口カバー率は90%以上。ほとんど3Gに頼らずに済むところまでカバーが進んでいるとのことだ。

12月からは、WiFiスポットも一気に拡充する。KDDI子会社であるワイヤ・アンド・ワイヤレス(Wi2)の「Wi2 300」の一部エリアが使用可能になったことで、スポットが倍増の2万カ所に膨らむ。

「これまでもWi2とはやらせていただいていたんですが、プラスでドンと増える。カフェと鉄道が多いですね。東京モノレールの駅がエリア化され、空港から乗ったままつながる。カフェではスターバックスが強化されます。それに、丸の内エリアもWi2が強かった」

この1万カ所が、すべてのプランに追加される。もちろん、主力の月額380円プランで使えるスポット数も一気に増える。これまでマクドナルドが中心だったが、スタバが大きく増えることで、ユーザー層も広がりそうだ。

今後は、ヨドバシカメラに加え、携帯電話販売店の販売チャネルを拡大する。社員10人体制と身軽な企業だけに、業界随一の会員数を武器にして、しばらくは業績伸長が続きそうだ。

山内 哲夫 東洋経済 記者

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やまうち てつお / Tetsuo Yamauchi

SI、クラウドサービスなどの業界を担当。

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