コールド・ストーン、コンビニアイス参戦の訳 歌うアイス屋が「銀だこ」傘下で進める大転換

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2012年4月に日本に進出したユニリーバ傘下の「ベン&ジェリーズ」も苦戦を強いられている。当初、2017年までに30~50店を目指すとしていたが、現在も3店舗にとどまる。ただ、カップアイスの小売販売は1800店以上で行っており、小売りが主体といえそうだ。

コールド・ストーンは今後どうなるのか。「(外食の)店舗数は現在の27店から、若い人の集客が見込める立地にある20店程度にまで整理する。今後は(アイス小売りの)製造・卸のメーカーとして位置付けていきたい」と佐瀬社長は言う。

店頭での販売からコンビニなど小売に軸足

全国の百貨店やショッピングセンターで移動販売を行っている。小売りで先行するハーゲンダッツに追いつけるか

昨年に続き、今年もプレミアムアイスキャンディの販売を行うほか、7月にはコールド・ストーンブランドで新たに冷たいスイーツを扱う飲食店の出店も計画している。今後はコールド・ストーンのブランド力を武器に、店舗での実験販売を経て、コンビニなどの小売りで規模を拡大する方針だ。

ライバルは小売りで先行するハーゲンダッツだ。「ハーゲンダッツの販売は400億円を超えるオンリーワン(のブランド)だ。そこをコールド・ストーンのユニークな商品でこじ開けていきたい」(佐瀬社長)。熱い夏の”冷たい戦争”を乗り切ることができるのか。コールド・ストーンにとっても正念場といえそうだ。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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