ハウステンボスはディズニーのマネをしない 澤田秀雄HIS会長に聞く

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「運をつかむ技術 18年間赤字のハウステンボスを1年で黒字化した秘密」 澤田秀雄 著 1,470円 小学館

国家も企業もそうだが、一番大切なのはリーダー。リーダー次第で良くも悪くもなる。幹部も大事で、ハウステンボスの幹部もずいぶん替えた。やはり、速い人が走れば速い。力のある人が持ち上げればたくさん持ち上げられるが、力のない人は少ししか持ち上げられないから競争には勝てない。財務経理には財務経理がわかる人が必要だし、営業がわかるには営業のプロフェッショナルが必要だ。

売り上げを2割増やして、経費を2割下げる。往復で4割改善すれば、たいていの会社は黒字になる。ハウステンボスの場合、大きかったのはやはり経費。ディズニー(東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの合計)の1.6倍の敷地面積があるから、光熱費、人件費、設備投資などの経費も1.6倍かかる。だから、経費をいかにまず下げるかから始まる。

まずは打席に立つ

ただ経費だけ下げていっても、売り上げが上がらないといけないから、新しいイベントをやったりしながら、お客さんを増やしていく。イベントも7割くらいは失敗だった。だが3~4割成功すれば、野球のバッターと一緒で、4割打者ならもう抜群。3割でも高く評価されるから。

一番良くないのは打席に立たないことだ。まず立って、振ってみる。振ってみたうちの3割当たればいいんじゃないか。チャレンジだから。

――過去の経営者たちは、打席に立っていなかった?

いや、いろいろなことをやられていたと思いますよ。それはわれわれとしてはありがたかった。ヒントもあったから。ただバランスの取り方がちょっと悪かったので、赤字だったのだと思う。われわれは出と入りのバランスを合わせていっただけ。

企業規模が大きくなるほど複雑多岐にわたってくるから、バランスが取りにくくなる。ハウステンボスは店舗も飲食、物販など40店ある。そして光熱費があって、人件費があって。

日本の国も同じで、大きいから、どこが損していてどこが得しているかが見えない。だからそれを1つずつ分析していくわけ。このレストランは利益が出ているのか、この物販は利益が出ているのか、この車両はどうなのか。全部きちっと分析してくると、どこが赤字で、どこで儲かっているかが見えてくる。

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