最も割安な「グランクラス」はどの新幹線? 1分当たりの利用料金でランキングすると…

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北陸新幹線E7/W7系のグランクラス(撮影:梅谷秀司)

北陸新幹線の場合はどうなのだろうか。調べてみると、東北新幹線より割高な結果となった。これは、北海道に乗り入れる「はやぶさ」同様、JR東日本とJR西日本の2社にまたがるためである。

そんな中、一番割安だったのは、金沢発9時21分、東京着12時40分の「はくたか558号」。通過する駅が安中榛名、本庄早稲田、熊谷の3駅しかない上、長野で12分停車して、「かがやき508号」に追い越されるダイヤとなっているため、1分当たり135.5円と、東京―新青森の「はやぶさ」とほぼ同じ数字となった。ちなみに、この列車で上越妙高から東京まで乗車した場合、JR東日本とJR西日本の2社にまたがらないため、グランクラスや新幹線特急料金が下がり、1分当たりの料金は125.9円となった。

ぜいたく感があるのは、スピード自慢の「かがやき」だ。東京―金沢を最速2時間28分で結ぶ「かがやき509号」と「かがやき514号」は、1分当たり182.2円。一番時間のかかる「かがやき」でも、1分当たり175.1円と、東京―新函館北斗の「はやぶさ」よりぜいたくな結果となった。

ゴールデンウイークや、それ以降に走る臨時列車を調べてみると、お得感があったのは、5月5日に運転される、盛岡発17時40分発、東京20時56分着の「はやて342号」が1分当たり117.1円と「やまびこ」並みの数値だった。また、東北六魂祭にあわせて、6月26日に運転される、新青森16時25分発、東京20時20分着の「はやて380号」は、1分あたり113.2円と、東北新幹線で定期列車最安値の「やまびこ43号」よりも安い数値が出た。さらに、この列車を七戸十和田―東京まで乗車した場合は、1分当たり112.9円。現在のところ6月26日に「はやて380号」で七戸十和田から東京まで乗るのが、一番お得にグランクラスを楽しむ方法と言えるだろう。

車内で「コスパ」のよい楽しみ方は

さて、肝心のグランクラスをどう楽しむか。車内はとにかく上品で、静かな空間を楽しんでもらうため、車内販売がやってこない。また、ソフトドリンクは小さいグラス(映画「幸せの黄色いハンカチ」で、高倉健さんが、出所後、食堂で頼んだビールを注いだときの、あのグラスぐらいの大きさ)に、氷を3個ほど入れ、そこにソフトドリンクを入れるため、すぐになくなってしまう。アテンダントを何度も呼び出すのも、ドリンクを2、3杯一緒に頼むのも品がない。軽食も、6数種類の料理が、それぞれおちょこに入るぐらいの量しか盛られていない。

だが、アルコールは違う。ミニボトルや、350mlの缶とグラスを渡され、しかも飲み放題。なので、グランクラスを満喫したいなら、お酒を飲んでも大丈夫なタイミングで乗車、軽食をツマミ代わりに楽しむのがオススメだ。

渡辺 雅史 時刻表探検家

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わたなべ まさし / Masashi Watanabe

1975年生まれ。フリーライターとして、週刊誌や月刊誌で記事を執筆するほか、テレビやラジオ番組の構成にも携わる。2009年、国内の鉄道に完乗。時刻表の誌面に載っている"変な列車"や"味のある列車"を探すことをライフワークとしている。

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