マツダが販売好調の中で露呈したアキレス腱

国内工場はフル稼働、海外拠点の活用が急務

2016年6月に中国に投入予定の「CX-4」(Photo by Xiaolu Chu/Getty Images for Mazda Motor Co.)

「円高については今後まったく予想がつかない。海外工場を強化することが一番の対策だと思う」

マツダは4月27日の決算発表で、2017年3月期の営業利益が前期比25%減の1700億円と、5期ぶりに減益となる見通しを示した。為替前提を米ドルで120円から110円に、ユーロで133円から125円と円高方向に見直したことで810億円も営業利益を押し下げる。円高への対応について問われた小飼雅道社長は、海外で展開する工場の生産効率の最大化に重点的に取り組む考えを強調した。

前2016年3月期は過去最高益で着地

マツダはリーマンショックで大打撃を受けた2009年3月期以降4期連続で最終赤字を計上。起死回生で投入したのが、環境と走行性能を高めた「スカイアクティブ」技術やデザインテーマの「魂動(こどう)」を採用した「新世代商品群」だ。

2012年2月発売の新型SUV(多目的スポーツ車)の「CX-5」以降、コンパクトカーの「デミオ」やコンパクトクロスオーバーの「CX-3」など新型車が軒並みヒット。業績は順調に回復し、2016年3月期の世界販売は153万4千台(前期比10%増)、営業利益は2268億円(前期比12%増)といずれも過去最高を達成した。

2015年に発売した2人乗りオープンスポーツカーの新型「ロードスター」は「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(WCOTY)」を受賞するなど、新型車の評価は総じて高く、商品性の向上が好業績を生み出すという好循環が続いていたのがこの4年間だった。

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