あのケンタが「一人飲み女性」を魅了するワケ KFCの新業態は「ちょい飲み」とは全然違う
そもそもフライドチキン自体がビールとの相性がいい。そこに、温かいグリル料理、パスタ、サラダなど、栄養面でもバランスのいいメニューをそろえたわけだ。
変わったのはメニューだけではない。外装、内装ともに、これまでのケンタッキーとはひと味違うスタイリッシュなデザインになっている点が大きな特徴だ。
チキンだけでなくパスタ、サラダなども食べ放題
実はこうした“変わり種”のケンタッキーは、高田馬場店で初めて登場したわけではない。2014年11月には、コーヒーの質にこだわり、スイーツの品ぞろえも増やしたカフェタイプの店舗をオープン。また、2015年11月に竣工した大型複合施設「大阪エキスポシティ」内のショッピングモールに、ビュッフェレストランタイプの「ららぽーとEXPOCITY」店を開業した。
つまり、今回のバルスタイル店舗のオープンも、現在、KFCホールディングスが進めている新業態戦略の一環なのである。ちょい飲み需要の追っかけとはまったく違う発想から出発しているのだ。
どういった背景から取り組みを始めたのだろうか。「これまでどこの店舗でも、同じものを同じサービスで提供するのがケンタッキーのビジネスモデルだった。しかし、現代では消費者のニーズが非常に細分化し、従来のやり方では対応できなくなっている。これを踏まえ、出店場所の性格にマッチした業態の展開=業態最適化戦略を推進している」(日本KFCホールディングス・執行役員早田正一経営企画部部長)。
お客にとって、ファストフードであるKFCの利用の仕方は「テイクアウト」「イートイン」の2つだ。このうち、同社が目をつけたのが、イートインの需要だ。
「そもそもテイクアウトは外食と内食の中間にある“中食”、イートインは“外食”で、ビジネスモデルが違う。中食は商品力が勝負で、大きな変化は起こりにくいが、外食には雰囲気やサービス品質など、売り上げを大きく左右する要素がある。これを、場所柄や消費者のニーズに合わせて変化させることで、新規の客層を増やすのが業態最適化戦略の狙いだ」(早田氏)
前出のららぽーと店では、“ハレの場”である大型複合施設という場所柄を考慮し、定番メニューであるチキンだけでなく、パスタ、サラダ、スープ、パンなどが食べ放題のビュッフェスタイルのレストランとした。
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