ブリヂストンが目指す売上高4兆円計画
自動車用タイヤの有名ブランドとして、日本国内のみならず世界にその名をとどろかせるブリヂストン。直近2011年12月期に売上高3兆円を稼いだ世界最大のタイヤメーカーが、一段とアクセルを踏み込む。
ブリヂストンは2017年12月期までの新しい中期経営計画を策定した。総資産純利益率(ROA)6%超、営業利益率10%超、中計期間中の売上高成長率は年平均5%超という意欲的な目標を掲げた。起点となる今12年12月期見通しの売上高3.1兆円から試算すると、17年度は売上高で約4兆円、営業利益4000億円程度に達する。
前提となるタイヤの世界市場は、堅調な伸びを続けるとの想定だ。12年度見込み対比で、17年度には、乗用車用タイヤは日米欧が5%、新興国が30%、全体で15%の伸び、トラック・バス用タイヤは日米欧10%、新興国40%、全体で30%の伸びを想定した。為替レートは1ドル=80円、1ユーロ=105円、主原料の天然ゴム価格は高止まりを前提としている。天然ゴム価格は足元、300~350セント(シンガポールゴム先物RSS3号1キログラム当たり)となっている。
主力のタイヤ事業では、価格競争力の強い高付加価値型の製品が拡販の中心になる。たとえば、乗用車用では、ランフラットタイヤ(パンクをしても空気が抜けにくいタイヤ)や低燃費タイヤなどで、トラック・バス用はリトレッドタイヤ(張り替えタイヤ)などだ。また、鉱山機械用など高シェア・好採算の特殊タイヤも6割程度の伸びを目指す。
拡販は世界各地域で満遍なく進める計画だ。ブリヂストンは、価格優先の競争となっている新興国市場に関しては、販売競争からやや距離感を置いてきたが、今後はモータリゼーションの進展に伴い高機能タイヤの需要も拡大するとみて、新興国市場にも一段と注力する。