痴漢に間違われたら「落ち着いて逃走」しよう 現行犯逮捕だけは何としても回避したい理由

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「残念なことに、日本の刑事裁判は、『何もしていなければ処罰されない』という常識が通用しません。一度、逮捕されてしまったら、ベルトコンベアーに乗ったかのように、勾留、起訴、有罪判決という方向に流されていきます。逮捕の期間は最大3日間ですが、その後の勾留は最大20日間です。『やっていない』と23日間、言い続けることのできる人は多くはありません。

また、逮捕・勾留されている期間、仕事を休まなければならないという問題もあります。痴漢事件の場合、一般人が被疑者を逮捕して、警察官に引き渡す場合が多いですが、その場合にも事情は変わりません」

一度その場を離れれば、現行犯逮捕はできなくなる

では、どうすればいいのだろう。

「私は、やっていないことを主張しながら、落ち着いてその場を立ち去るのがいいと思います。それが難しい場合には、『この人が痴漢です』と主張している女性に名刺を渡して、『逃げも隠れもしないので、改めて連絡してくれ』と言うのがいいでしょう。

一度その場を離れれば、原則として現行犯逮捕ができなくなるので、令状を取らなければ逮捕ができなくなります。それもできずに、駅の事務室などに連れて行かれたら、一刻も早く弁護士を呼ぶべきです。

逮捕されているなら当番弁護士が呼べますし、逮捕されていないなら、家族か友人に頼んで弁護士を探して連絡してもらうのがいいでしょう」

指宿 昭一(いぶすき・しょういち)弁護士
労働組合活動に長く関わり、労働事件(労働者側)と入管事件を専門的に取り扱っている。日本労働弁護団常任幹事。刑事事件では、二子玉川駅痴漢えん罪再審事件や狭山再審事件等の弁護人を務める。
事務所名:暁法律事務所

 

弁護士ドットコムの関連記事
ビジネスホテルの「1人部屋」を「ラブホ」代わりに――カップルが使うのは違法?
「AV出演」が知人にバレた!「恥ずかしくて死にたい」・・・回収や削除は可能か?
新入社員の「悲痛な声」早くも続々…入社3日で辞めたいと思った場合、どうすれば?

弁護士ドットコム
べんごしどっとこむ

法的な観点から、話題の出来事をわかりやすく解説する総合ニュースメディアです。本サイトはこちら。弁護士ドットコムニュースのフェイスブックページはこちら

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事