痴漢に間違われたら「落ち着いて逃走」しよう 現行犯逮捕だけは何としても回避したい理由

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痴漢の疑いをかけられた際に「走って逃げる」は正しい対処法なのか(撮影:今井康一)

3月に放送された日本テレビ系列のバラエティ番組「行列のできる法律相談所」で、痴漢と間違えられた時の対処法として、弁護士が「走って逃げろ」などとアドバイスしたことが、ネット上で話題になっている。

この日の番組では、痴漢冤罪に対する最善の対処法が4人の弁護士によって議論された。その結果、4人のうち3人が、「本当にやっていないなら立ち去る。逮捕される前に全速力で走って逃げる」「事件に巻き込まれてしまうことが一番怖い。やましいことがあるから逃げるのではない。自分にふりかかろうとしているとんでもない災難から逃げるのだ」と、現場から立ち去ることをすすめた。

弁護士たちの回答に対して、ネット上では「逃げたらよけいに怪しまれるのでは?」「本当にやってないなら逃げる必要ないよね」という意見がある一方、「やってないことを証明するのが難しいなら逃げるしかない」という声もあり、賛否が分かれた。

「走って逃げる」にはリスクがある

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

痴漢をしていないのに疑いをかけられた場合、「走って逃げる」は正しい対処法なのか。指宿昭一弁護士に聞いた。

「『走って逃げる』ことにはリスクがあります。周りの乗客が、逃亡した人を真犯人だと思って逮捕に協力し、結果的に捕まってしまうかもしれません。逃げて捕まれば、捜査機関からも、裁判官からも強く疑われる理由を作ってしまいます」

指宿弁護士はこのように述べる。

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