あなたにも出来る!社労士合格体験記(第63回)--異常分娩は「療養の給付」が支給される

 

出産手当金は、労働基準法の産前産後休業と連動しています。労働基準法では原則、産前6週間(多胎妊娠は14週間)、産後は8週間の休みを規定していますが、ノーワークノーペイの原則があるため、産前産後休業中の賃金については規定がありません。そこで、この部分の面倒を見るのが、健康保険法の出産手当金です。

健康保険法では支給単位が1日のため、産前は42日(=6週間)、多胎妊娠は98日(=14週間)、産後は56日(=8週間)となっています。そして、支給金額は標準報酬日額の3分の2相当額です。また、端数処理は1円単位に丸めます。

出産手当金は、女性労働者本人の産前産後休業に対して支給されるものですから、被扶養配偶者の奥さんが出産しても支給されません。そして、報酬があれば支給されないのが原則ですが、報酬の額が出産手当金の額より少ないときは、その差額が支給されます。

これに対して、出産育児一時金は女性本人が出産した場合でも、被扶養配偶者の奥さんが出産した場合でも支給されます。後者の場合は名称が家族出産育児一時金となりますが、あくまでも被保険者であるご主人に対して支給されることに注意して下さい。支給額は1児につき39万円ですが、産科医療保障制度に加入している保険医療機関等(ほとんどの病院、診療所、助産所)は3万円が加算され、42万円となります。

異常分娩は「療養の給付」

一方、出産時にも疾病又は負傷に関する給付である「療養の給付」が支給される場合があります。こちらは原則3割負担ですが、この給付が受けられるのは、帝王切開等の異常分娩に限られます。正常分娩の場合は、医師の手当てを受けても療養の範囲外とされ、全額自己負担になってしまいます。

ただ、異常分娩の場合は「療養の給付」として取り扱われるといっても、3割は自己負担です。保険が効くといっても、重篤になれば相当な負担がのしかかってきます。それを救ってくれるのが高額療養費の制度です。自己負担の部分が、月ベースで原則80,100円を超えてくると、高額療養費の対象となります。ただし、個室に入院した場合等の差額ベッド代などは、元々全額自己負担であり、高額療養費の対象にはならないので注意が必要です。

次回は、温泉三昧の旅へ出かけます。


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