みんなを幸せにする「公益資本主義」とは何か

株主重視経営では持続的に成長できない

日本が指向している資本主義は、私たちの幸せにつながるものなのだろうか?(写真:kelly marken / PIXTA)
「みんなを幸せにする資本主義とは何か?」
自らが創立した会社を一代で東証一部上場企業にまで育て上げながら、そんな素朴な疑問を35年間、ずっと考え続けてきたという大久保秀夫氏。その思索と実践の集大成を『みんなを幸せにする資本主義』(東洋経済新報社)にまとめた筆者が、これからの資本主義の在り方について展望する。

日本の資本主義は正しい方向に進んでいるのか

経営者が真剣に考えるべき国民を幸福にする「公益資本主義」について提言する

皆が本当の意味で幸せになれる資本主義ってなんだろうか。私は、35年前にフォーバルを立ち上げ、日々の経営に携わるなかで、常にそのことを考えてきました。

今、日本が指向している資本主義は、本当に私たちの幸せにつながるものなのでしょうか。「日本の資本市場の魅力を高め、海外の投資家がもっと日本企業に投資する環境を整備する」というお題目のもと、わが国の資本市場整備に関わっている当局者は、企業に対してはROEの向上、社外取締役の積極的登用、コーポレートガバナンス・コードの策定を求め、機関投資家にはスチュワードシップ・コードの導入を求めました。

これらは、いずれも「企業の持続的な成長を促すためのもの」と言われています。

しかし、私は決してそうではないと考えています。これらは日本の資本主義を良くするものでも何でもなく、言うなれば日本の資本主義を欧米型資本主義の走狗にするためのものではないかと危機感を持って見ています。

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