米国ワインがとんでもない進化を遂げている ブルーベリーを加えた「青いワイン」も登場
クラフトビールや蒸留酒の世界ではイマジネーションや製法革新が尽きることはない。柿の入ったパーシモン・エールや牡蠣を加えたオイスター・スタウトのほか、スモーキー・バーボンなど多彩な種類がある。だが、ワインの場合は通常、ぶどうの品種を従来と違う形で組み合わせることはない。テンプラニーリョとメルローを合わせることはありえないのだ。
しかし、米国ではワイン醸造会社が地元産のぶどうを用いたり、蒸留酒製造者が使用済みのバーボンの樽の中でワインを熟成させるなどの、ちょっと信じがたい動きが実際に出てきている。背景には、醸造者としての価値を世界の舞台で証明したいとの思いなどがある。
伝統には縛られず
サウスダコタ州ブラックヒルの醸造会社プレーリーベリーは、ジンファンデルという品種のぶどうとブルーベリーとをブレンドした「Blue Suede Shoes(ブルー・スエード・シューズ)」などの、フルーティーなワインに特化している。
プレーリーベリーの製造担当者サンディ・ボイタ氏は、サウスダコタ産の天然果実を原料に使った理由について「私は生まれつき伝統に縛られるようなタイプではなかった」と説明。伝統的なワインの製造法も習得することを通じて「全てのワインのスタイルを尊敬し、それを取り入れることを学んだ」と語る。