日本のトップ企業100社のうち社外取締役設置企業は約8割--ただ、各社で温度差くっきり
日本のトップ企業・時価総額上位100社において、社外取締役が1名以上いる企業は79社、8割弱に達していることがわかった。東洋経済新報社が全上場企業を対象に毎年7月末時点に行っている『役員四季報』調査による。社外取締役数の最頻値は2名だった(別表・証券コード昇順)。
社外取締役がいない企業は21社あったが、その顔ぶれを見ると、トヨタ自動車、キヤノン、ファナック、新日本製鐵(現・新日鐵住金)など、経団連歴代会長出身企業を含む日本を代表する大企業が並んだ。デンソー、アイシン精機といったトヨタ系列の企業も、社外取締役を置かない傾向がある。その一方、同じく自動車大手でもホンダは2名、日産自動車も1名、社外取締役を置いている。
社外取締役を増やした企業は11社あった。経営の監督と業務執行を分けた委員会設置会社である日立製作所は、2011年の4名から12年に社外取締役を7名に増やした結果、取締役総数13名の過半数が社外取締役となった。JTは11年には社外取締役が不在だったが、12年は新たに2名を選任。ヤフー、スズキ、大和ハウス工業も11年と比べ2名増員している。
一方、社外取締役を減らした企業は2社。そのうちの1社であるソニーは、11年には取締役総数15名中13名いた社外取締役を、12年は14名中10名にまで減員した。同社は他社に先駆けて執行役員制度を導入し、会社法改正後もいち早く委員会設置会社になるなど米国流の企業統治を積極的に採用してきた企業だが、これまで代表執行役だった社内役員の平井一夫氏が12年6月から取締役にも就任するなど、内部昇格の取締役が増えている。野村ホールディングスも社外取締役を1名減らし7名としている。