既存店不振で一転5期連続最終赤字、ダイエー収益回復シナリオの隘路
既存客の来店頻度を上げるため、シニア専用のポイントカード(年金支給日の毎月15日にポイント5倍)などで囲い込むほか、クレジットカード発行も強化する。それまで、セディナ店員がダイエー直営210店のうち70店に専用カウンターを設け、発行手続きを行っていたが、ダイエー従業員が業務委託を受ける形で全店で会員獲得に励む。8月末会員115万人(稼働ベース)を下期中に8万人底上げするのが目標。
リーマンショック直後はタイムリーな値下げで顧客の支持を得たダイエーだが、今年の消費停滞局面では他社に出遅れてしまった。売上高の大半を食品と日用品が占める構造は総合スーパー(GMS)というより食品スーパー(SM)に近づいてきている。一方でSM平均より割高な従業員の人件費をどう抑制していくか。パート比率も8割に達しており、さらに引き上げるためには、セブン-イレブンへ配置転換も企図するイトーヨーカ堂のようにグループ内の受け皿が必要。だが、巨額の有利子負債削減のためにOMCカードやローソンを手放したダイエーにはそれがない。
消費増税を見越した買い控えの動きが強まる中で、コンビニに客を奪われるスーパー業界に逆転の秘策は乏しい。苦境はダイエーに特有のものではなく、GMS共通のハードルだ。それがダイエーの収益回復の道を隘路にしてしまっている。
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