鉄鋼業界で総合力世界一を目指す

宗岡正二・新日鉄住金会長兼CEO

 

--八幡と小倉は?

(新日鉄の)八幡と(住金の)小倉は近接した地域。LNGや電力、原材料の融通はもちろん可能になる。製鉄所は修繕なり工事という要員は必要になる。これを2所で効率的にできる。時期をずらせば、それぞれに持つ必要がなくなる。九州で見れば、大分も入る。

それから広畑と和歌山、堺でも考えられるし、関東でいえば、鹿島と君津でも、修繕の人員、工事の人員を有効活用できる。この効果は大きい。

--小倉にも高炉があるが?

頭の整理では、聖域なく検討の対象になるが、現実的にいえば、近いとはいっても溶鉱を八幡から小倉に運ぶ手立てなどない。したがって、八幡の高炉も小倉の高炉も維持されると思う。近いからといってどうこうするというわけではない。

--韓ポスコと比べて収益力が弱いが……。

ポスコが東アジアマーケットで競争力を持っているのは、ウォン安のおかげ。これは必ず反動が来るとは思う。ただ、われわれはそれを待っているわけにはいかないので、自らコスト競争力を高めていく。

--人事異動のメドは?

プロジェクトが発足すれば、当然そういう異動が起こってくる。

いま建設中のものが結構ある。メキシコ、タイ、インドで建設している人が、建設する立場で行っている。それが操業すれば、その操業を指導する人が必要になる。当然、異動がそのプロジェクトの進捗をもって始まってくる。

とりあえず今回の人事異動では、製鉄所はそのままにしてある。ただ、製鉄所間の人事交流も当然起こりうる。これは来年の春先以降になる。

今回、われわれが技術的に一歩も二歩も先に行けると思っているのは、やっぱり住金が持っている、いろいろなベストプラクティス。これを新日鉄が取り入れていく。そして新日鉄が持っているベストプラクティスを住金の鹿島なり和歌山が取り込む。ということで全体の底上げをしたい。

端的にいうと、新日鉄の名古屋の自動車用の溶融亜鉛メッキのラインスピードは1分当たり140~150メートルある。これを鹿島に移植することができる。住金は住金で、厚板もホットも1ミルで全部やっていて、稼働率が高い。このノウハウを新日鉄側が吸収する。それで相当な底上げができる。

君津は君津のやり方と製鉄所ならではのやり方があったが、シャッフルすることで効果が上がる。

かつて所長から部長クラスまで入れ替えたことがあるが、効果が出るまでには1年程度必要。現場の人たちも含めて、そういう仕事の仕方に慣れて、あるいは賛同し、それをできるようになるまでは時間がかかる。

--うまくいく工夫は。

ラインごとにどういう歩留まり、生産性になったのかというのを見るようにしている。いいところを取り入れるように転勤もさせている。それにより全国が底上げされる。要は情報開示だ。

--中期計画の内容は?

こういう会社にしたいというのを書き込むことになる。この下期からの2年半、あるいは3年。その期間に統合に関するところはすべて終わっているようにしたい。

(山内哲夫 撮影:大澤誠 =東洋経済オンライン)

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