ポルシェ「911ターボ」はこんなにも凄まじい 580馬力の超絶パワーをトコトン試してみた
排気量は従来型同様ながら、今回はハイパフォーマンス・バージョンであるSグレードが、ベースモデル(911ターボ)に対してより大容量の専用ターボチャージャーを採用。また、“ダイナミックブースト機能”というアンチラグ制御の採用で、これまでターボ付きエンジンには不可避とされて来たブースト圧上昇までのタイムラグを解消。加えて、インジェクション・システムの最大噴射圧を高めるなどで、燃費の改善を図りつつさらなる出力向上を達成させたのも見逃せないポイントだ。
911ターボSのクーペ・モデルをメインにテストドライブ
旧くはF1レースも開催された南アフリカはキャラミのサーキットを基本の舞台として開催された国際試乗会では、前出専用チューニングが与えられ、ベースモデルよりも40psと40Nmの出力とトルク(*)が上乗せされた心臓を搭載する、911ターボSのクーペ・モデルをメインにテストドライブした。
早速コースインをして、まずは軽くウォーミング・アップ、という段階で、街乗りシーンを想定した穏やかなアクセルワークを行うと、本来怒涛のパワーを発揮するこのハイチューン・エンジンは、驚くべきことに1000rpmを下回る回転数ですら、実用的なトルクを発してくれることにまず驚かされる。
とはいえ、もちろんその本領はアクセルペダルを深く踏み込んだシーン。こうなると、今度は空恐ろしいほどの加速力が、4WDシステムによってわずかなタイヤのスキール音もなく発せられるという、先ほどとは全く異なる性格を披露することに大感動だ。
ゲストが”付いて行ける”、となるとどんどんとペースアップされて行く、ポルシェのいつものサーキット・プログラムの流儀で、周回ごとに速さが増すプロドライバーが駆る先導車を夢中で追っていると、いつしかとんでもないハイペースに。
(*)911ターボSの最高出力は580ps(427kW)/6750rpm、最大トルクは700Nm/2100-4250rpm(オーバーブースト時:750Nm/2250-4000rpm)