ビックカメラとユニクロ、融合店が担う広告塔の役割

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共同運営となる同施設では、ユニクロ店内の500体のマネキンに、一眼レフカメラやスマートフォンで電話を掛けているタイプを用意するなど、家電量販店とのコラボレーションを意識。また「ビックロ」のロゴを活用したオリジナルグッズの販売や、ビックカメラのポイントカード「ビックポイント」の同ユニクロ店内での割引サービスなども実施する予定だ。

また、ユニクロとして過去最大の販促費を投下、新宿駅周辺の広告スペースのほか、商店街や山手線の車両広告など幅広く展開するほか、テレビCMも積極的に放映する。国内の消費者にとどまらず、家電量販店ならではの外国人来店客も狙い、英語のほか、中国語、韓国語にも対応したスタッフも配置する。

ビックロの展開に乗り出したファーストリテイリング。背景には国内ユニクロ事業の成長鈍化がある。

ユニクロは出店数の拡大から、都市部繁華街店舗の大型化へと店舗戦略を転換。狙いは効率化だ。元来の強みだったメンズ衣料に加え、強化中のレディス、さらに子供服を拡充して客層を広げるには、売り場面積の拡大が不可欠だ。デジタルサイネージ(電子看板)やマネキンの配置で、ユニクロのブランド世界観を伝えるにも、一層の広さが求められる。

また、大型店には新商品やブランドコンセプトの発信地としての広告塔の役割もある。とくに買い物客が多い商業集積地では、新商品の認知度を高め、各地の店舗への集客に結びつける狙いがある。今回の新宿東口店もこの大型化戦略の一貫。同店の売り場面積は1200坪に及び、国内最大の銀座旗艦店に次ぐ2番目の大きさだ。

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