グーグルの「AMP」導入をめぐる4つの疑問点 果たしてそれで儲かるのか?
ヘッダー入札は「収益を10%から20%ほど増加させる重要な方法だ」と、多くのテクノロジーサイトを運営するオンラインマーケティング企業パーチ(Purch)の最高技術責任者(CTO)であるジョン・ポッター氏はいう。「AMPがヘッダー入札に対応していないということは、ヘッダー入札からの収益が減るということを意味する」。
ほかにも、アウトブレイン(Outbrain)やタブーラ(Taboola)など、コンテンツレコメンドエンジンにもすぐには対応しないため、これもパブリッシャーの収益を減らしてしまう要因になっている。
スピードを速くすることに意味はあるのか
2 スピード
広告をなくしてまで、表示速度を高速化させる意味はあるのか? これも、多くのパブリッシャーが疑問に思っていることだ。
グーグルは、試験では表示速度が85%も向上したと発表しているが、パブリッシャーもページの表示速度を向上させるために、不要な部分は省くといった努力を行ってきた。AMPによる表示速度の高速化で、訪問者やページビュー、滞在時間などが増えるのか、先述のパーチのようなパブリッシャーはとても気にしているのだ。
また、グーグルが特定のパブリッシャーを贔屓にしているのではないか、という懸念もある。グーグルはすべてのパブリッシャーを同様に扱うと表明しているが、それぞれのパブリッシャーにおけるAMPページの速度は、検索結果のランキングによって決まるとも言っているのだ。
グーグルがAMPを発表したとき、検索結果に多くのAMP記事を表示していたが、「ニューヨーク・タイムズ」の商品部長であるケイト・ハリス氏は、ユーザーがどのように記事と触れ合い、またそれがエンゲージメントの観点から見てどれほど重要なのか疑問に感じたと話す。