東芝は債務超過転落を回避できるのか 医療事業売却スキームには異論も

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東芝は、会計不祥事の発覚を契機に15年度に過去最大となる7100億円の最終赤字を見込む。1年前には1兆円を超えていた自己資本が1500億円に目減りするとの予想だ。東芝メディカルの売却益を15年度に計上できれば債務超過の危機回避へ大きく前進する。

ただ、東芝では売却益を15年度中にどう扱うかについては、「現在慎重に検討を進めている」(今月17日の報道資料)としており、結論は示せないでいる。

特設銘柄解除に向け原子力事業の減損実施も

「医療事業の売却益が計上できなければ、下手をすれば債務超過だ」とある東芝役員は語る。ただ、同役員は、計上できるかどうかについて「できる。間違いない。それは疑っていない」と自信を示す。

東芝は現在、東京証券取引所の特設注意市場銘柄に指定されているが、同社の事情に詳しいある関係者は、この指定を解除するには「のれんを減損して、(バランスシートを)きれいにして、特設ポストから抜け出さなければならない」と強調する。

 

焦点となるのは、15年12月末で約3800億円に上る原子力事業ののれんの取り扱いだ。関係者らによると、東芝メディカル売却を機に、東芝が原子力事業についても2000億円規模の減損に踏み切る可能性もある。

 

(浜田健太郎 藤田淳子 山崎牧子 編集:北松克朗)

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