新定番のフィリピン留学は、ココを見誤るな 留学ソムリエが現地で目にした、意外な側面

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そもそもフィリピン留学の歴史は、韓国から始まったと言っても過言ではありません。1997年のアジア通貨危機の際、韓国は経済的に大きな打撃を受けるのですが、その後2000年頃からは、いっそうの国際化を目指すため、韓国から渡航しやすく物価も安いフィリピンに目を付け、語学学校を作っていくこととなります。

韓国資本の語学学校の特徴は、「リーズナブル」「マンツーマン」そして「スパルタ」という3点。これが欧米資本の学校との大きな違いであり、今日まで続くベースとなっているようです。

「スパルタ」という点にビックリする方がいるかもしれませんね。韓国の留学事情をのぞいてみると、子どもの留学のために親が費用を捻出するケースが多く、「環境の整った、確固たる学習効果を出せる学校に通わせたい」という要望が強いのです。そんなわけで、多くの学校がきちんと校則を設けており、授業への出席率、学習態度などを厳しくチェックするのはもちろん、寮の門限などにも、けっこう厳しかったりします。

「マンツーマン」というのも、フィリピン留学の大きな特徴のひとつ。グループレッスンが基本の欧米資本の学校にもメリットはありますが、シャイな日本人留学生はあまり発言できないという声も多く聞きます。その点、マンツーマンのレッスンが主体であれば、話す絶対時間が自然と長くなるため、英会話の確実な伸びが期待できるでしょう。

傾向の違いは「都市」にも現れる

マンツーマンの講義スタイルなら、シャイな日本人でも取り組みやすい

実はここ数年、日本人留学生の増加を受け、日本資本の学校も勢力を拡大しています。ちなみに、2010年にフィリピンを訪れた日本人留学者数は約5000人。これが2013年には約2万6000人まで拡大しました。

日本資本の学校の特徴をあげるなら、「滞在施設・食事の充実」「ビジネス英語や医療英語などのコースバリエーションが豊富」「自由度の高い校則」などなど。マンツーマンという点は韓国資本と同じ方式を取る学校が多いのですが、カリキュラムをより日本人好みに改良している学校も増えてきましたので、興味のある方はチェックしてみてください。

このような「差」は、資本の違いだけでなく、都市の違いによっても現れます。次は最近人気の「セブ島」と、フィリピンの首都「マニラ」の留学ライフの違いについて考察してみましょう。

フィリピンといえば、皆さんも真っ先に思い浮かべるのが、セブ島とマニラの2都市ではないでしょうか。実際、両都市には語学学校や大学が多いため、留学先として人気があります。でも、同じフィリピンと言えど2つの都市の留学には大きな違いがあります。

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