甦る自動車危機の悪夢、各国で補助金の期限切れが相次ぐ
エコカーの品ぞろえが特に多い日産自動車では、「前年にティアナ刷新があったにもかかわらず、7月のディーラー来場者は前年以上。普通なら夏休みで勢いが鈍る8月もペースを維持し、9月に突入する勢い」(日産マーケティング本部)と活気づく。
補助金は2010年3月末日で締め切りとなるが、それ以前でも3700億円の予算を使い切れば終了となる。消化率は非公表ながら「卒業・就職で盛り上がる3月を待たずに終わることはないだろう。米国に比べ反応も緩やかな分、反動減も少ない」というのが業界関係者の一致した見方だった。しかし、ここに来て政権交代という波乱要因が持ち上がっている。
民主党はマニフェストで旧道路特定財源の暫定税率撤廃を掲げている。自動車取得税や重量税が本則税率に戻れば、それなりの減税効果は期待できる。ただ現行の補助金額に比べれば1ケタ少ない。
暫定廃止と、今後3年間続くはずのエコカー減税が並列で存続するのかも不透明だ。減税打ち止めとなれば、現状では取得税・重量税とも免除されているプリウスやインサイト、75%減税のフィットやヴィッツは、実質的な“値上がり”となってしまう。
もしそうなれば、今の減税と補助金を満喫できるうちに、消費者は新車を買うだろう。「こうした駆け込み需要が怖い。3月前に補助金が足りなくなる事態が起こりうるし、その後の反動減が恐ろしい」(業界関係者)。
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