メディアは、いかに若手社員と向き合うべきか 米国のメディア企業はこう取り組んでいる
ミレニアル世代にとって、仕事の予定が柔軟に組めることはとても重要なことだ。これに対応するため、方針を変えた企業もある。米Webメディア「Vox Media(ヴォックスメディア)」の正社員の20%はオフィス外勤務だ。一方で、米経済メディアの「Business Insider(ビジネスインサイダー)」には無制限の休暇制度がある。両社とも、若者が時間にとらわれずに働く代わりに、自由や独立性を欲していることを理解している。
米女性ファッションメディア米女性ファッションメディア「Refinery29(リファイナリー29)」のニュース編集室は伝統的な趣があるが、ミレニアル世代のスタッフをやる気にさせるためにも、それぞれのスタッフが情熱を持てる記事を追うことを推奨している。たとえ、その記事が「Refinery29」にそぐわない内容であっても、だ。この開放性により、エンターテイメント担当のリポーターが、米テネシー州の女性死刑囚が無罪になった記事を書き、また、美容担当のリポーターがタンザニアで色素欠乏症の子供が狩られている実態を記事にしている。
非公式ではあるが、「Refinery29」の編集戦略担当者であるネハ・ガンディー氏によると、部署のトップたちは週に3回、それぞれが担当している記事について会議を行い、相互交流を奨励しているという。「もし食品部門の誰かがエンターテイメント分野に情熱を持っていたとすれば、私たちは必ず社員に機会を与える」と、彼女はコメントした。「ミレニアル世代について私たちがよく言うことは、彼らは才能を決めつけられたくないということだ」。
絶え間ないフィードバック
社員に対する年次評価の時期が迫ってきている。しかし現在では、多くの企業がフィードバックする回数を増やしている。これは、若年スタッフが自らの状況を確認したいという要望からきている。ミレニアル世代をターゲットとしているニュースサイト「Mic(ミック)」を例に見てみよう。ここで働くジェネレーションY(1975年から1989年に生まれた世代。日本でいう「ロスジェネ」に近い)のスタッフたちは、フィードバックを受けるのに1年も待ちたくないとして、3カ月ごとに目標を設定している。その期間ごとに新たなプロジェクトに任命され、新たな目標と報酬を受け取る。
「ビジネスインサイダー」も同様に、年次評価に加えて四半期ごとに評価がある(それとボーナスも)。また、社長でありCOOであるジュリー・ハンセン氏によると、毎月もっとも良い記事が選出され、選出されたスタッフは公に発表され、50ドル(約5600円)の賞金も与えられるという。これらの方針は常にフィードバックを求めるジェネレーションYに対応したものであるが、ハンセン氏が指摘した通り、この方針転換によって恩恵を受けたのは社員に限ったことではない。
「はじめは、常に認められていたいと考えるミレニアル世代たちの要望に応えるために行った」と、彼女は話す。「そしてスタートアップ企業として、私たち自身が何を行っているのか、しっかりと見ておく必要があった」。
Lucia Moses(原文 / 訳:BIG ROMAN)
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