次期戦闘機問題、F22の追加生産中止は日本にとってよいことだ
米国では、ロッキード・マーティン社が元請けとなり、F22の製造に関して三つの州で3351人の労働者を直接雇用している。さらに全米で2万5000人の労働者が部品製造に携わっており、44州がF22のプロジェクトに関係している。
たとえば、コネチカット州にはF22のエンジンを製造している会社があり、同州選出の連邦議会議員は全員が生産中止に反対している。
しかし、米国政府関係者の多くはもう一つの機種、F35統合攻撃戦闘機はF22と比べて機動性は劣るものの、レーダーやその他の航空電子機器の性能は同等と主張している。F35を支持する人々は、日本がこれを採用すれば日本側の懸案はすべて解決できると主張している。しかも、価格は格段に安い。
F22は冷戦時代、旧ソ連の領空に侵入する目的で設計された。ゲイツ長官や専門家たちは、冷戦時代は終わったと認識している。F35統合攻撃戦闘機は、F22と同等の仕事をより少ない費用で遂行することができ、同盟国が費用を分担し、技術を共有することも可能だ、という点で専門家の意見も一致している。
日米両国は固い同盟関係にあるとはいえ、戦略的対話を行うための制度が確立しているわけではない。時折協議は行われるが、成果は上がっていない。普天間基地を閉鎖し、代替施設を建設するという合意が成立してから14年経っても問題は解決していない。日米は、真の同盟関係からは程遠い状態にあるのだ。
右派の“独自な”解釈
ここに右派の考え方が登場する。日本の右派の基本的な姿勢は、日本は国防に関して米国を当てにすることはできない、したがって、日本は独自の防衛力を整備しなければならず、そこにはF22が含まれてしかるべきだ、というものだ。