世界を代表する女性の肖像22人が訴えるもの アニー・リーボヴィッツが捉えた女性の変化
「1999年の『WOMEN』では、ヒラリー・クリントンやオノ・ヨーコといった著名人だけでなく、教師、炭坑労働者、死刑被宣告者、女性兵士などを撮りました。社会のなかに生きるさまざまな女性たちに平等にスポットライトを当てたかったのです。それから16年経ち、女性たちを取り巻く環境は大きく変わりました。今回撮影した女性のなかにルピタ・ニョンゴ(昨年『それでも夜は明ける』でアカデミー賞助演女優賞を受賞した黒人の若手女優)がいますが、彼女はイェール大学を卒業した秀才です。現在出演しているブロードウェイ作品は、脚本も監督も他のキャストもみんな女性によるものです。ルピタは化粧品ブランドLANCÔMEの顔でもあります。1999年では、こうはならなかったでしょう。いま女性たちは社会のなかで以前よりもはるかに“見える”ようになったのです」
新しいプロジェクトとして再始動した『WOMEN』
リーボヴィッツはいまやトレードマークとなったきれいな銀髪をかきあげながら、新しいプロジェクトとして再始動した『WOMEN』について語った。
今回発表された22点の作品には、『ヴァニティ・フェア』誌の表紙を飾ったケイトリン・ジェナー(元陸上オリンピック選手で性的適合手術を受けた“女性”)、女性人権活動家のグロリア・スタイネム、監督・女優のレナ・ダナム、グラミー賞を最多受賞した歌手アデル、コメディエンヌのエイミー・シューマーとその妹で脚本家のキム・キャラメル、そして黒人バレエダンサーのミスティ・コープランドらが登場する。
女性といっても、年代、分野、職業、外見もバラバラである。さらにこのロンドンのオープニングには間に合わなかったが、人権運動家のマララ・ユスフザイやテニスプレイヤーのセリーナとヴィーナスのウィリアムズ姉妹、パフォーマンスアーティストのマリーナ・アブラモヴィッチが、これから加わるという。