資源関連株のカラ売りは今や危険である

コマツと三菱商事に底打ちシグナルの意味

個別では資源関連株が少し買われています。建設・鉱山機械を手掛けるコマツ(6301)の株価は2013年高値から長期的に低迷が続いていますが、2月12日に形成したチャート上のローソク足の陰線が転換点となった可能性が高いといえます。寄り付きからチャート上でマドをあけて下放れてしまいましたが、取引時間中に下落幅を大幅に広げることなく短い陰線で終了しました。翌営業日の2月15日は逆にマドをあけて上放れて上昇し、2月12日の短い陰線が下に取り残されるような格好となりました。

これは、日本では古くから有名な相場分析手法である酒田五法(「三兵」「三空」「三川」「三山」「三法」)でいうところの「三川明けの明星」のパターンで、相場の底入れサインとされています。コマツだけに限ったことではなく、三菱商事(8058)などもそのパターンに該当するでしょう。

上海総合指数で最も良好だった業種

中国関連の代表格であるコマツ、資源関連の代表格である三菱商事が底打ちするとした場合、市場は何を織り込もうとしているのか。中国の建機市場や新興国向けの鉱山機械の需要が近い将来に最悪期を脱するという理解になるでしょう。原油価格の反転上昇などもそうです。

実は、中国の上海総合指数を構成28業種に分け、昨年末から2月26日までの動きを業種別に比べると、最もパフォーマンスが良好だったのは「採掘(石油関連)」業種であることがわかります。上海総合指数をアウトパフォームしている業種は7業種しかなく、「採掘」を筆頭に「非鉄金属」、「鉄鋼」などの資源関連が上位に入っているのです。

中国での過剰在庫の報道が毎日のように日本に伝わってくるにもかかわらず、中国株式市場では資源関連株が先導して下げているわけではなかった。つまり、東京市場ではカラ売り比率が相対的に高いといわれる「鉄鋼」「海運」「商社」といった資源関連株をカラ売りするのは今やもう危険であり、むしろ逆向かいの買い場が到来しているようにみえます。

海運株の株価がときどき連動性を強めてきた、バルチック海運指数(鉄鉱石・石炭・穀物などを運搬する外航不定期船の運賃指数)は、2月10日に算出以来の安値290を付けた後、3月4日まで16連騰を記録しました。昨年8月5日に1222の高値を付けた後は調整が続いていますが、その調整過程におけるアヤ戻しでも7連騰がいいところでした。7連騰した当時は安値から幅にして100、率にして20%上昇しました。

一方、足元の16連騰では幅にして59、率にしてようやく20%に達しました。重要なのは、今回の方が小幅ではあるものの戻りの持続性が長いということ。日本の伝統的な罫線分析のなかでも、底値圏での連続陽線は小幅に出る方が底入れには望ましい、といわれるほどでもあり、バルチック海運指数の小幅な16連騰は、海運株のひとまずの底入れサインとして織り込む必要があると思います。

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