2月15日につけた「日経平均1000円高」の意味 余剰運用資金が探し始める個別株の特徴は
2月15日につけた日経平均株価の1000円高は相場反転のサインになったでしょうか?
投資家心理は、どちらかというとまだ「疑心暗鬼」の状況から抜け出せていませんし、底入れに自信が持てる状況でもありません。ただ、相場格言で「悲観の中に生まれ、懐疑の中で育つ」とあるように、やはりいつもそうなのです。実際、悲観の中では誰も押し目を買えません。みなが共通して底値と確信して買える水準、つまり悲観ムードがない水準では、本当の底入れにはなりにくい。買いが出きってしまうとあとは売るしかないからです。
本当の底入れは、総悲観の中でも勢いがある売り方の買い戻しから始まるもので、実需買いで始まるケースはまれといっていいでしょう。買いたいけど怖くて買えなかった投資家が底値で買えなかったために、上値を追う買いが生まれ、上昇相場につながるのです。なので、実需買いはいつも上昇したあとに増加するもの。足元の相場は不安心理が優勢で、実需買いはほとんどないと推測します。だから逆に、将来に実のなる買いは「今でしょ!(少し古いですが)」となるわけです。
上場企業の減配リスクは考えなくてよい
2月17日付け日経新聞朝刊では、2015年度に上場企業が予定している配当総額が約10兆8000億円と、3年連続で過去最高を更新すると報じていました。また、業績見通しを下方修正した企業でも、その約9割が従来計画通りの配当を維持する見込みだそうです。投資家から株主還元意識の強化が要求される最近の傾向から考えても、増益幅が少し減ったからといって還元策を緩めるわけにはいかない、と筆者も思います。減配リスクはほぼないと考えてよく、3月の本決算前で大幅に下げた局面では高利回り株は魅力的です。
短期的にみると、国内発の材料は目立ったものはなく、引き続き海外発の材料や市場動向に影響を受けやすいと思われます。海外の経済指標では、米1月中古住宅販売件数、米2月CB消費者信頼感指数(23日)、米1月耐久財受注(25日)、米10-12月期GDP改定値(26日)などが相場に影響を与えそうです。ドル高による米企業業績の鈍化、消費がいまひとつ盛り上がらない米国が順調な経済回復に向かっていることが確認できるのか、それとも昨年12月の利上げ判断に修正を迫るような内容となるのか、指標結果を受けての米国株の動向がリスクオンの度合いを決めるカギとなります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら