米ヤフーがマイクロソフトと提携、日本のヤフーへの影響は?
米国ヤフーとマイクロソフトがインターネット検索事業で提携すると発表した。米ヤフーは、マイクロソフトが開発した検索技術「Bing(ビング)」と、検索連動広告のプラットフォームを採用する。事実上、マイクロソフトと米ヤフーは検索事業を統合することになる。独占禁止法など関連当局の審査が順調に進めば、2010年の初めにも提携がスタートする。
日本のヤフーは、米ヤフーの子会社ではないため、今回の提携では直接的な影響を受けることはない。ただ、検索エンジン、検索連動広告プラットフォームには米ヤフーが開発した技術を用いており、こうした面での影響は受けることになりそうだ。米ヤフーは独自の技術開発は中止することになるため、ヤフーもマイクロソフトのビングの検索技術を採用、検索連動広告もマイクロソフトのプラットフォームをベースにすると見られる。
井上雅博社長は、「どんな検索技術を使うにせよ、日本のお客さんに対してもっともよいサービスを提供するのがヤフーの務め」と社員向けのメールで訴えている。
マイクロソフトの技術を採用した場合、日本のヤフーにとっては、米ヤフーに頼っていた従来よりもメリットが多そうだ。ネットの検索サービスは、文字検索中心から画像や動画などへも拡がり、ますます高度化している。最先端を走るグーグルと真っ向から対決するには、技術開発の面でも、サービスを運営する設備投資の面でも負担が大きい。今回、米ヤフーが自社開発を断念し、マイクロソフトの技術を採用したのもこうした検索サービスの開発・投資負担に耐えられなくなったからだ。日本のヤフーから見れば、危なっかしい米ヤフーよりも、技術・財務でも遙かに強固なマイクロソフトが開発・サービスを担ってくれた方が、よほど安心して事業を展開できるというもの。日本のヤフーが負担する直接的な費用も削減可能の見込みだ。
マイクロソフトは、日本でもビングを使った検索サービスを独自に展開している。日本での関係がどのようになるかは今回の発表では触れられていない。日本に関してはヤフーが、マイクロソフトはもちろん、グーグルも圧倒しているため、仮に何らかの提携が行われるとしても、ヤフーの主体性が薄まることはないだろう。
(丸山 尚文)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2009.03 265,754 134,618 132,912 74,715
連本2010.03予 279,000 140,000 138,000 79,000
連本2011.03予 295,000 148,000 145,000 85,000
連中2008.09 131,627 65,905 65,091 36,894
連中2009.09予 133,700 68,000 67,500 39,000
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1株益¥ 1株配¥
連本2009.03 1256 130
連本2010.03予 1360 135
連本2011.03予 1463 145
連中2008.09 616.8 0
連中2009.09予 671.2 0
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