巨額の営業外費用や特別損失は格付けにどう影響したか--総合電機5社をチェック《スタンダード&プアーズの業界展望》


アナリスト 柴田 宏樹

 日本の総合電機5社(日立製作所、東芝、三菱電機、NEC、富士通)は2009年3月期決算で、事業環境の悪化で営業利益が大幅に減少したことに加え、巨額の営業外費用や特別損失、持分法投資損失等を計上した。主な内容は、事業構造改革費用の計上、減損処理(工場などの固定資産、過去に国内外企業へ出資した投資分の評価損など)、将来の業績回復の見通しが低下したことによる繰り延べ税金資産の取り崩しなどであり、2009年3月期の当期損益は三菱電機を除いて1000億円以上の当期損失の計上を余儀なくされた。その結果、5社合計の株主資本は前期比38%減の3兆8032億円と大きく毀損し、負債構成も大幅に悪化した。

スタンダード&プアーズは、今年に入って、これら5社のうち3社の格付けやアウトルックを下方に変更したが、これらの格付けアクションは、巨額の営業外費用や特別損失計上などによる財務的な影響だけに直接的に基づいたものではなかった。しかし、景気低迷が長引けば、5社の業績回復も遅れる可能性が高まっているため、営業外費用や特別損失の計上による一段の財務内容の悪化は、各社の信用力評価上、大きな重荷となる可能性もあることを懸念している。

表1: 2008年4月以降における日本の総合電機5社の格付け変更
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