恐怖と欲が交錯し、株式市場は膠着状態

売買出動は方向性が明確になってからでいい

こうした現象は頻繁に起こるが、筆者は「マラドーナ現象」と名付けた(詳しくは、拙著『時事問題とマーケットの深い関係』をお読みいただきたい)。

筆者のメールマガジンの読者の方や、セミナーでお目にかかる投資家の方たちには、筆者のスタンスをご理解いただいているためか、長期投資家が多い。そうした方たちとお話すると、最近の相場下落でうろたえている方は、想定以上に少ないと感じる。その一方で、この相場付きでは売買しても仕方がないので、しばらく何もしないでいよう、という方が多い。その判断は正しいと考える。

現在の日本株の振れは、何か実態経済面で急激な変化が起こり、それが正しく株価を変動させているわけではない。心理面の動揺が進み、売られ過ぎがもっと売られ過ぎに、それがさらに売られ過ぎになったものだ。したがって、あくまでも目先の株価動向については、こうした売られ過ぎが今すぐに一気に解消に向かうのか、それともより売られ過ぎになる事態に再度陥るのかは、わからない。

長期投資家は違ったことをする必要はない

すなわち、当面の正確な底値の時期と価格水準は、株式市況が実態から大いに乖離して変動しているため、見通せないと言える(見通せる、と言う人がいれば、何か勘違いをしているのだろう)。また、さらに株価が下落するのではないかという恐怖と、大きく反発するのではないかという欲が交錯しているため、短期的には引き続き株価の変動が極めて大きなものとなり得る。

こうした状況下で、欲を張って高値で買い、安値で売るよりは、市況が落ち着き、方向性が明確になってから売買に出動する方がよいだろう。少なくとも、レバレッジをかけた売買は、避ける方が賢明だと考えられる。休むも相場だ。

もちろん、長期的な観点から、手元に追加投資が可能な現金があれば、時間分散して、少しずつ買い溜めていく、というやり方は有効だろう。すでに十分投資してしまい、追加投資できる現金がなければ、買い持ちしたまま待つ方がよいだろう。毎月少額ずつ、株式投信などを買い溜めている長期投資家は、特に何も違ったことをする必要はなく、そうした積立を続けていけばよいだろう。

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