ゆうちょ銀、マイナス金利で運用に手詰まり 預金獲得はむしろリスク、投信販売も中止に
その主力は国債だ。運用資産に占める比率は減少させているものの、直近2015年12月末時点でなお41%を占める。三菱東京UFJ銀行と比較するとはるかに多い(右図)。
国債の利回りは、日銀のマイナス金利政策の導入後、一段と低下した。2月16日現在、1年債から9年債までマイナスの状況だ。
基本的にゆうちょ銀行は国債の購入後、満期まで保有する運用を行っている。マイナス利回りとなっている今、満期保有目的で短中期国債を買うと、損失覚悟の投資となる。過去1年で20兆円ほど満期償還されたが、うち国債に再投資できたのは2兆円ほどだ。今後ますます国債への再投資が難しくなる。
マイナス金利で120億円の減益インパクト
国債償還資金の残りは、約6割が外国証券、約4割が日銀当座預金に向かっていた。だがこれからは日銀当座預金を増やすとマイナス金利がつく。現段階の試算でその額はおよそ6兆円。これまで0.1%の利息収入を得られていたものが、逆に0.1%の利息を支払うことになる。約60億円の利益が消え、60億円の費用負担に。合わせて120億円の減益インパクトだ。
当然、日銀当座預金を極力増やさないよう、対策を打たねばならない。しかし、1年国債の利回りは足元でマイナス0.17%と、日銀当座預金よりも低い。ある程度の額は積んでいかざるをえない。
外国証券も増やしたいところだが、簡単ではない。外国証券は大半がドルもしくはユーロ建ての国債や社債。基本的に高格付けの投資適格債だ。それらへの需要は世界的に強い。「2015年4~12月の9カ月で外国証券を約11兆円増やしたが、ペースとしてはこれが限界に近い」(ゆうちょ銀行の山田博専務執行役)。
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