(第31回)<佐藤弘道さん>テレビのヒーローに憧れて体操を志した

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●ケガで負傷しても体操をやり続けた

 高校に入学すると、器械体操部に入りました。毎日筋トレです。自分の腕で全体重を支えなきゃいけないし、苦しかった。コーチはいなくて、先輩が教えてくれるのですが、先輩は「よし、やれ」とか「よし、回れ」とか、それだけなんです(笑)。コーチが来たのは僕が高校3年生ぐらいの時かな。それまではずっと自主トレみたいなもので、練習場所も古い体育館でした。
 高校1年のとき、つり輪の練習中に頭を打って頚椎を損傷し、首の骨がずれてしまったのです。一歩間違えれば、今この世にいなかったかもしれません。しばらく入院して学校も休みましたが、退院して、最終的には体操部に戻れました。当然親や周囲は反対しましたが、一度やり始めたからには最後までやらないといけないと思っていたので、辞めようとは思わなかった。もちろん、2回転宙返りとかは怖かったですけどね。

●学校推薦で、念願の「日体大」に入学

 大学も学校推薦で、日体大へ進学。確か、高校3年間、五段階評価の4.0の成績を維持し、スポーツテストの上位何名かが大学推薦をもらえました。
 大学では徒手体操部に所属。高校時代のケガで、ドクターストップがかかっていたので、自分でも「これじゃあ、オリンピック選手になれないよな」と思いました。
 長年の夢だったオリンピック選手は断念することになりましたが、僕には「体育の先生になる」という別の夢もありましたから、そちらに乗り換えることとなりました。
 体育の先生の一番の魅力は、体を動かすことができるということ。自分の好きなことが仕事としてできるなんて、素晴らしいじゃないですか!

●目標を持って学んで欲しい

 結局、大学卒業後は、世田谷区の教育委員会の教育指導員を経て、スポーツインストラクターになりました。そしてオーディションを受け、NHK「おかあさんといっしょ」の体操のお兄さんになりました。
 また、短大や専門学校の講師として、教壇で話すこともありますが、学生にはもっと目標を持ってもらいたい。僕らのような特別講師というのは、今まで積み重ねてきた自分の財産を提供しているわけですから、真剣なのです。だからやる気のある人に受講してほしいです。そして、子どもと関係のある仕事をしたいと思っているなら、子どもと真剣に向き合ってほしいと思います。

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