【産業天気図・外食】不採算店閉鎖効果と原材料費一服が下支え、天気は雨から次第に曇りへ
09年4月~9月 | 09年10月~10年3月 |
外食業界の2009年度前半の天気は「雨」。しかし、前期の積極的な赤字店舗閉鎖や08年度第2四半期に急騰した食材価格や光熱費が落ち着くこと、さらに不況で人員募集費が低く抑えられることから2009年度後半は「曇り」とやや回復する。
外食業界全体の売り上げは1月が前年同月比でプラス0.4%となった後、2、3月はマイナスとなり、4月は再びプラス0.8%と前年同月を上回った(日本フードサービス協会調べ)。
業態別に見るとファストフードの好調さが際立つ。ファストフードは08年9月からプラスが続いている。積極的な販促効果で客数、客単価とも前年同期を上回っている。
特に目立つのが日本マクドナルドホールディングス<2702>。08年5月から既存店ベースでプラスが続いている。100円メニューで客数を増加させる一方で、クォーターパウンダーなど高価格帯商品で稼ぐという戦略が当たっている。さらに今後は、セット商品を従来価格より引き下げるランチタイム割り引きもなども売り上げ拡大に貢献するだろう。
一方、ファミリーレストランは08年12月からマイナスが続いており、3月にはマイナス7.3%と大幅減となった。しかし、4月にはマイナス2・9%とマイナス幅は縮小、各社の値下げや割安メニューを投入している効果が多少出てきたもようだ。今後、高速道路1000円乗り放題などで自動車利用客が増加すれば、さらなるマイナス幅の縮小につながる可能性もある。
パブレストラン・居酒屋は苦戦が続く。サントリー外食事業の中核で「響」などを展開するダイナック<2675>は09年9月期予想を下方修正した。大庄<9979>やコロワイド<7616>は単価低下に対応するため、漁港からの直接仕入れで原価低減に努力しているが、客数減少はなかなか止まらない。
(田宮 寛之)
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