日本はアフリカの「おいしい」国から卒業を

単純な支援で中国と張り合っても意味がない

今回、ルワンダの鉱業セミナーの基調演説を、日本・アフリカ連合友好議員連盟でミッション団長の三原朝彦氏と、山際大志郎副団長にお願いした。こちらの外交演説はわかりやすく鉱山経営者たちにも受けた。推察するに、聞く方の立場を斟酌してスピーチをしているから、相手の腹に入るのだろう。三原団長は30年前からアフリカを回っている経験もあり、アフリカ人の心をわし掴みにするのかもしれない。外交センスの勉強もさせてもらった。

黙々と古いタイプの支援を継続してきた日本

余談になるが、「日本の外務省は欧米を特別扱いしている」と言っているアフリカ人がいる。私自身は、アフリカ担当よりアメリカ担当になる方が出世コースで、アフリカに3年から4年駐在すると、その後はアメリカに転任できるとある外務省の友人から聞いたことがある。そんな人事ばかりしていると、いつまでたってもアメリカ追従型の外務官僚しか育たないのではないかと心配になる。

アフリカやアジアにいると、何となく上から目線になる外交官も多いのだろうか。僕は仕事の関係で海外の日本大使館に寄ることがあるが、何か思い違いしているような外交官の人に時折会う。本省から派遣されている人の中には、偉そうに訪問者を値踏みしてから面談する人もいるとか。日本外交は、こんなところで損をしている。

先述したように、かつて日本のアフリカ支援総額は世界でトップだった。アメリカに対する貿易黒字を減らして風圧を回避するという隠れた目的もあったにせよ、アフリカ諸国にとっては、何も言わずに無償協力をしてくれる「おいしい国」だったのである。インフラ整備をすれば技術力は高く手を抜かない仕事ぶりだし、アフリカ人の下請けを我慢して使ってくれるし、欧米のように政治に口出しすることもない。

アフリカ諸国の最大の産業が、誤解を恐れずに言えば「国際社会からの支援を取ること」だとわかっていても、必要悪として目をつぶって援助してくれる数少ない国が日本だった。欧米の宗主国はその構造がわかっているから、支援との見返りに資源を搾取してきたが、そのポジションに中国が台頭した。そんな変化の中でも、黙々と古いタイプのアフリカ支援を継続してきた日本に対して、アフリカの友人たちは「日本人には差別主義者(Racist)はいないし真面目でよい人が多い」と言う。これが一般的な評価なのだろう。

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