「黒田バズーカ」第3弾を生んだ崖っぷち事情

計り知れないマイナス金利導入のインパクト

静止している物体は静止し続け、運動している物体はそのまま等速度運動を続ける慣性の法則が物理学にはあるが、相場にも慣性の法則と言うべき、20%の法則がある。上昇を続けていた相場が、高値から20%以上下がると下落が続くと言われ、調整局面に入ったとして弱気相場と称される。日経平均が、昨年来高値(2万0946円)から20%ラインぎりぎりまで下がった昨年9月の安値を下回った年初からの波乱で、弱気相場に入ったと言われる所以(ゆえん)である。

この20%の法則は上げ方向にも適用できる。イランの輸出再開を織り込んで26ドル台まで売られたWTI原油先物は、34ドル台をつけた後、33ドル台後半で強含んでいる。安値より20%以上の上昇となって、法則を適用すると底を打ったことになる。サウジやロシアの減産報道もあり、需要が一瞬で消えたリーマンショック時でも30ドルを切らなかったことも考えると、26ドル台で底を打ったと考えてもいいだろう。

上海総合指数は3000ポイント回復なるか

ECBのクリーンヒットで始まった中央銀行の強力(協力?)打線は、アウトにはなったがFRBの当たりも悪くなかった。そして日銀の痛烈二塁打でショーは終わった。今週も週初の中国PMI、週末の米雇用統計が、日経平均の本格反騰への道を決める気の抜けない週となる。特に、原油価格の底が見えた現在、残りの不安は中国株だ。せめて早期に上海総合指数が3000ポイントを回復することが重要で、月曜日のPMIは注目だ。

ただ、年初からの波乱連続の過程で、多くのファンドはヘッジ売りに勤しんだ。1万6000円までのヘッジはすでに終っていると考えられる。再び1万6000円割れが見えない限り、もう大きな売り物は出ないと考えられる。逆にヘッジを解く必要があり、展開はかなり明るくなった。

また、先週引け後、日通決算の上方修正が発表された。佳境を迎える企業決算で、日本における原油安メリットがいかに反映されてくるか。期待と不安が高まっている。最後に。緊張したメインフィールドの隣で中小型株中心の草野球を楽しんでいる人たちもいる。筆者がカバーしている銘柄の中では、桧家ホールディングス(1413)、その子会社の日本アクア(1429)あたりは多少楽しめるかもしれない。

今週の日経平均予想レンジは1万7500円~1万8400円。

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